二人三脚での挑戦

今年から指導者となり、野村の捕手挑戦をサポートしている岡田コーチ
西武での現役時代、
炭谷銀仁朗、
森友哉の第2、第3捕手としてベンチを支えていた
岡田雅利氏が今季から三軍野手コーチとして奮闘している。直近の課題としては昨オフ、育成再契約となり長所である「打撃」を生かすため内野手から捕手にコンバートされた
野村大樹の捕手育成を手掛けている。
プロ8年目、26歳シーズンでの捕手挑戦は異例だが岡田コーチは「ハンディはありますが、可能性を最大限引き出してあげたい。ゲームの途中から出て行って捕る、投げる、止めるが問題なくできるレベルまで持っていってあげたい」と断言。目指すポジションを「一軍の2番手、3番手捕手」に置き、二人三脚での挑戦が続いている。
1月の自主トレから本格始動した野村の捕手挑戦は現在、三軍戦で一塁と併用で試合出場を続けている段階。岡田コーチは「一生懸命やし、まだまだ課題がいっぱいありますけど、キャッチャーとしての骨格はしっかりしてきたのかなというのはあります」と語る。
その上で、現在の課題については「捕るというところでは捕れるようにはなってきましたけど、そのあとの(投手への)声掛けだったりとか、やっぱりキャッチャーとして(の配慮)というところですね」としながらこう続けた。
「配球のところはもう全部こっちのせいやっていうぐらいで受け止めるということは話しています。もう思うようにやってください。ただ、その中でも大事な場面はある。例えば、一死三塁でフライを打たれたらダメなケースだったりとか。そこは自分がバッターやったらどう狙うかというところを説明して、理解はしてくれている。あと、やっぱり課題はスローイングですかね。ピッチャーへの返球もまだまだというところがある。ピッチャーがストライクを入れられない場面で、淡々と普通に返すばかりじゃなくて、1球でもパチンと返すだったりとか。返球ひとつとってみても、そこにどういう意味を持たせるかの部分ですよね」
「結果を出して状況を変えたい」

昨年までは内野手としてプレーした野村。パンチ力のある打撃には定評がある
野村は「小中高はキャッチャーだったので、その感覚を思い出しながらやっています」と言うが、アマチュアとプロのレベルでは捕手としてやらなければいけない仕事の質も違う。味方投手への目配り、気配りはもちろん、相手打者やベンチのわずかな動きに対する洞察力から生まれる気付きなど、有形無形の仕事は多岐にわたる。
岡田コーチは「まだまだ、そこを求めたらダメかもしれないですけど。でもね、大樹もやっぱりこの1年に懸けているんで。もう一度、一軍の戦力になれるところまで持っていってあげたい」と親心を語っている。
そして今後、支配下登録され一軍戦力に食い込むまでの青写真をこう描いている。
「今の一軍メンバーを考えると、打つほうにはやっぱり小島(
小島大河)がいるし、そして古賀(
古賀悠斗)も柘植(
柘植世那)もしっかり守れて、となるんで。その隙間に入ろうと思ったら、やっぱり打つしかない。まずそこを頑張って、(捕手のほうは)7月までにはなんとか形にしてあげて、そこからですね。『これキャッチャー困ったぞ』と3つ目で食い込んでくれっていうぐらいのレベルには持っていきたいなと思っている。今は(1月時点と比べて)誰が見ても『変わったな』と思われていますけど、思われるだけやと結局そこまでなんで。結果を出して状況を変えていきたい」
岡田コーチと野村の挑戦に与えられた時間は決して長くはない。
文=伊藤順一 写真=BBM