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冷静と情熱の野球人 大島康徳の負くっか魂!!

大島康徳コラム第110回「野球は錯覚のスポーツです?」

 

ホームラン量産体制に入ったヤクルト・村上/写真=高塩隆


スポーツは勇気をくれる


 崖っぷちから、よくぞ逆転しました!

 すごい試合でしたね。翌日、日本ハム-ロッテ戦の取材のために札幌に行くので、早く寝なきゃと思ったんですが、ついつい夢中になってしまいました。あ、野球の話じゃありません。テニスのフレンチオープン、大坂なおみさんの試合です。

 1回戦で世界ランキング90位のアンナ・シュミエドロバ(スロバキア)と対戦。ランキングだけを見たら勝って当たり前の試合でしたが、入場したときから大坂さんに笑顔がなく、その表情に不安を感じました。試合中も、自分へのイライラから涙を流す場面がありましたが、耐えて、耐えて、よくぞ立ち直ったと思います。眠かったけど、いい試合を見せてもらいました。

 あらためて思います。スポーツは見ている僕らに元気と勇気をくれます。僕の現役時代はどうだったのかな。僕のプレーを見て、少しでもそう思ってくれた方がいたなら本当に幸せです。

 先日、巨人上原浩治君が引退を表明しましたが、彼もまた、日本球界、メジャー・リーグ、そして僕と同じユニフォームを着た第1回WBCなどで、たくさんの元気と勇気をくれた選手の一人です。5月23日、巨人-DeNA戦の取材で東京ドームに行った際、彼と偶然会うことができましたが、僕の病気についても知っていたようですね。体を気遣う言葉をもらい、こちらも「ご苦労様!」と声をかけ、握手して別れました。先発、中継ぎ、抑えと、どのポジションでも一流の成績を残した本当に素晴らしいピッチャーだったと思います。

 では、前回に続き、今回も昔話ではなく、今のセ・リーグのペナントレースについて書いてみます(すべて5月29日現在)。開幕前の順位予想で、今年のセはどこも先発投手が安定せず、混戦になるのではという予想をしました。まさに、そんな戦いになっています。このまま走るのかと思った巨人も、いつの間にか“余裕のよっちゃん”からずいぶん変わってしまいました。打線は問題ありませんが、やはり・・・

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中日、日本ハムで主軸打者として活躍し、日本ハムでは監督も務めた大島康徳氏が自らの一風変わった野球人生を時に冷静に、時に熱く振り返る連載コラム。

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