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冷静と情熱の野球人 大島康徳の負くっか魂!!

大島康徳コラム「国際大会は意識し過ぎないことが活躍のコツ」

 

日本シリーズでは快速球を武器に、巨人相手に好投を見せた甲斐野[ソフトバンク]


国際大会の難しさ


 今回のプレミア12は日本の優勝で終わりました。ただ、世の中の雰囲気もそうでしたが、僕も最初は「なんか、盛り上がらんな……」と思っていました。アメリカや中南米のチームはマイナー・リーグの選手ばかりで、レベルもイマイチ。直前にラグビーワールドカップ、さなかにボクシングの井上尚弥の世界戦があっただけになおさらでした。

 それだけに、決勝で韓国に勝って世界一という幕切れで本当によかったと思います。テレビの視聴率もよかったようですし、(決勝に関しては)試合内容も見応えがあるものでした。もしいいところなく惨敗していたら、それ以前に、決勝にも進めなかったらどうなっていたんでしょう……ちょっと怖い気がしますね。

 決勝を見て、私があらためて感じたのは、「投手が頑張れば、こういう戦いができるんだな」ということです。初回、先発の山口俊(巨人)が3点を失いましたが、その後をリリーフが締め、打線もここぞのチャンスを逃さず、快勝です。大会全体を見ても、この試合で2回に3ランを打った山田哲人(ヤクルト)、あるいはメキシコ戦で活躍した坂本勇人(巨人)と、前半戦に調子が上がらなかった選手が後半は活躍しました。日本は、いい形で五輪の前哨戦を終えることができたなと思います。

 先発投手では、メキシコ戦で投げた今永昇太(DeNA)がよかったですね。シーズン中のスタイルどおり、インサイドにキレのいい強い真っすぐを投げ込んでから外の変化球で仕留めていました。

 この“いつもどおり”が意外と難しいんです。国際大会は独特の雰囲気があり、ピッチャーが自分のスタイルを崩し、打ち込まれてしまうこともよくあります。典型は山口俊ですね。「低めにフォークを投げなきゃ」はいいんですが、その意識が・・・

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中日、日本ハムで主軸打者として活躍し、日本ハムでは監督も務めた大島康徳氏が自らの一風変わった野球人生を時に冷静に、時に熱く振り返る連載コラム。

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