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冷静と情熱の野球人 大島康徳の負くっか魂!!

大島康徳コラム「われわれ評論家はキャンプでここを見ます」

 

 突然でしたね……。野村克也さんが亡くなられました。先日のカネさん(金田正一氏)のお別れ会では、車いすではありましたが、お元気そうだったのですが。

 僕が野村克也さんで一番覚えているのは名球会です。のちには来られなくなりましたが、僕は一度だけ野村さん夫婦とご一緒に名球会でハワイに行ったことがあります。

 そのときソフトボールをすることになったんですが、野村さんも血が騒いだのでしょうね。キャッチャーをやられたんですよ。僕は現役時代は、野村さんとの対戦は一度もなかったのですが、打席に入って「ああ、これがそうか」と思いました。ささやきというのか、ぼやきというのか……。確かにあれはうるさい!

 このときは、僕とナオミさん(愛しの妻です)は時間があればプールサイドにいたんですが、ほかの方が出てこない中、唯一いたのが「サッチー」こと沙知代さんでした。野村さんも時々、姿を見せ、沙知代さんの背中にサンオイルを塗ったりしていた。あの2人、ほんと仲がよかったですね。

 沙知代さんが一人のとき、僕らがよく言われたのは、「あなた、野村のところに遊びに行ってよ」でした。ずっと部屋に一人だったそうです。恐れ多くて一度も行きませんでしたけどね。

 最近では時々、取材で行った東京ドームの食堂でお会いすることがありました。一度、ジロッとにらむように見て、「お、やせたか」と言われたことがあります。僕が小指を出して、「いやあ、これで苦労しましてね」と言ったらニヤリとしていました(ナオミさん、ジョークです)。

 誰にでも心を開く人じゃなかったけど、根っこの部分ではすごく優しくて、でも、不器用でそれを出せなかった(出さなかった)人なんだと思います。

 球界への貢献は多大なものがありました。ご冥福をお祈りします。

1週間で帰された


日本ハム監督時代、ブルペン投球を見る筆者[中央]。どのボールをどれだけ投げるかは投手次第だけに、その意識が大事になってくる


 さて、キャンプもたけなわ。僕もこの本が出るのと前後して、キャンプ視察に行ってくる予定です。

 キャンプでは、各球団それぞれに、組織的に練習を進めていきますが、このメニューには、その球団の施設がどれぐらい充実しているか、がかかわってきます。メーングラウンド、サブグラウンドに加えて・・・

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中日、日本ハムで主軸打者として活躍し、日本ハムでは監督も務めた大島康徳氏が自らの一風変わった野球人生を時に冷静に、時に熱く振り返る連載コラム。

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