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冷静と情熱の野球人 大島康徳の負くっか魂!!

大島康徳コラム「森下投手はやっぱりいい。来年には一本立ちしているのでは」

 

プロ初登板で7回無失点の好投を見せた森下暢仁[広島]。今年の試合数でも2ケタ勝利は可能だと見ました


誤算には早く手を打ちたい


 ようやくプロ野球が開幕しました。各球団、非常に緊張感のある、いい試合をしていると思います。

 セ・リーグでは、巨人阪神が、スタートで極端な結果が出ましたね。好調に発進できた巨人は「これでよし」とそのまま行けると思うんですけど、阪神はいきなり打線を組み替えたり、バタバタ感が出てきていますね。もちろん各チーム、ある程度のシミュレーションはして臨んではいると思いますけれども、どうしても予測を外れる部分というのは出てきますから、そこでどう手を打つか、というのが今後の課題になってきますね。

 例年は、「対戦がひと回りするぐらいまで様子を見よう」と監督は考えるものですけど、今年は、早く状態を把握して、早く手をつけていかないといけない。スタートダッシュで遅れてしまうと、もうキツくなってくると思いますので。これから6連戦、6連戦になるし、パ・リーグなんかは、それも同じ相手と続けてやっていくことになりますからね。

 阪神だけでなく、中日なんかも、打線の援護でいくつか勝ってはいますが、先発ピッチャーが打たれているケースが多いですから、早く立て直さないと打線の状態がいつまで続くか、というのはありますね。

 そういえば、神宮球場で、実況席の声がベンチに聞こえてしまった、ということがありました。これはまあ無観客の今の時期しかないことでね。実際にキャッチャーが内に寄ったとか外に寄ったとかいう、その声を聞いて、選手がどうのこうのしようということはたぶんないでしょう。まあ、そんなに目くじら立てることではないと思いますよ(笑)。中継するほうも、取材もあまりできない中でやってくれてるわけですから。それぐらい大目に見ないと(笑)。「ああ、こういうこともあるのか」ということでいいと思いますけどね。

 ちょうどリモート中継の仕事があって、大分県の後輩の森下(森下暢仁=広島)の初登板をテレビでじっくりと見ましたが、彼はいいですね、やっぱり。球が強くて、速いです。そこに緩急をつける大きなカーブがあって、カットボールがあって、左バッターにはシンカー気味のチェンジアップがある。これらを駆使していくと、なかなかつかまえられないピッチャーだなと思いました。

 同じチームに、右投手の大瀬良(大瀬良大地)という、実績のあるピッチャーがいるのも大きい。少しタイプは違うとはいえ、まだ相手の情報も少ない中で、開幕戦でDeNAに投げているところも見ているはずですから。「こういう攻め方をするのか」「自分はこう攻めようと思っていたけど、こういう攻め方もアリか」などと感じたはずでしょう。

 課題があるとすれば・・・

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中日、日本ハムで主軸打者として活躍し、日本ハムでは監督も務めた大島康徳氏が自らの一風変わった野球人生を時に冷静に、時に熱く振り返る連載コラム。

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