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冷静と情熱の野球人 大島康徳の負くっか魂!!

大島康徳コラム「『8億円も出していいの?』が正直な感想です。うらやましいけど」

 

契約更改を終え、リモート取材に応える菅野[巨人]。それにしても、8億円[推定]とは、うらやましい限り!?[読売巨人軍提供]


俺たちは何だったの?


 巨人の菅野(菅野智之)投手が、史上最高額と言われる8億円(推定)で契約を更改したとのことです。

 正直に感想を言っていいですか?「もうバブルは崩壊したのに、野球界の一部はまだバブルが続いているんだな」というのが、僕の個人的な感想です。今は、1億円を超えている選手だって相当な数いますしね。こんな数字を見せられたら、自分たちの時代を振り返って思いますよ。「俺たち何だったんだろう」って。昔と今では貨幣価値が違うとはいっても、そこまでケタ違いには違わないと思いますよ。

 われわれの時代は、最初は1000万円がステータスでしたから。それで、契約更改のとき何かと引き合いに出されるのが、巨人の長嶋(長嶋茂雄)さん、王(王貞治)さんでね。「長嶋さん、王さんがこれだけなんだから、君はこれぐらいで……」という話です。

 稲尾(稲尾和久)さんも、西鉄から「ナンバーワンピッチャーの金田(金田正一、国鉄─巨人)さんでもこれだけしかもらってないんだから、君もこれで我慢しなさい」と言われたそうです。でも、その後のある日、金田さんと話していたら、「そうか、でも実はな、俺はこれだけもらってたんだよ」と聞いて、「エエーッ!?」となったという話もあります。金田さん、1億もらってたって言ったんですよ。まあ、ホントか冗談か分かりませんけどね。

 ただ最近は、そういう上限みたいなものもなくなってきましたよね。今回の菅野はポスティングですけれども、FAなんかに際し、チームに残ってもらわないと困る、という選手には、長期契約だったり、ガーンとすごい額が提示されたりする。するとどうしたって、ほかの選手もそれにつられて上がっていきますよね。

 例えば楽天のときの田中マー君(田中将大)みたいに、・・・

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中日、日本ハムで主軸打者として活躍し、日本ハムでは監督も務めた大島康徳氏が自らの一風変わった野球人生を時に冷静に、時に熱く振り返る連載コラム。

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