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冷静と情熱の野球人 大島康徳の負くっか魂!!

大島康徳コラム「ボーダーライン上の若手選手は、ここが勝負どころです!」

 

巨人・秋広ら、各球団の若手選手には、結果が出なかったときに不安に打ち勝っていけるかどうか、まさに今が勝負どころです


「野球どころじゃなかったぞ」


 今週は特集が「東日本大震災から10年」ということですけれども、僕もあの日のことは鮮明に記憶に残っています。

 そのときは近所に買い物に出ていて、レジで支払いを済ませたところだったんですが、大きな揺れに慌ててお店の外に飛び出したのを覚えています。祭(ペットのトイプードル)を家に残したまま出ていたので、心配で、すぐにナオミさん(妻)と一緒に家に戻りました。その間も余震なのか、ビルが揺れていたり、怖かったですね。東京にいてもそんなでしたので、東北はどれほどだったか。想像しかできないというか、逆に想像もできないですね。あのときの、2時46分が記録されたレシートは、今でも持っています。

 楽天はそのとき、ちょうどオープン戦で遠征に出ていたんですよね。星野(星野仙一)さんが当時の監督で、最初は野球をやるべきか、すぐに東北に帰るべきかで選手と意見の食い違いもあったと伝えられていますが、ペナントレースが始まってから、星野さんと話したら、「あのときは大変だったぞ。選手も家族や知り合いと全然連絡がつかなくてな。もう、野球どころじゃなかったぞ」とおっしゃっていました。僕は星野さんの性格はよく分かっていましたから、「この状況を乗り切れるのは、仙さんしかいないんじゃないですか。つらいし、大変でしょうけど、頑張ってくださいよ」と言ったのを覚えています。「がんばろう神戸」のときもそうですけれども・・・

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中日、日本ハムで主軸打者として活躍し、日本ハムでは監督も務めた大島康徳氏が自らの一風変わった野球人生を時に冷静に、時に熱く振り返る連載コラム。

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