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川口和久のスクリューボール

川口和久コラム「菅野と原監督、ダブルでメジャー挑戦はどう? 日本は球団経営が心配だよ」

 

コーチ時代の筆者[背番号71]と菅野[奥]


夢は来年でいいよ


 俺は「またか。これも智之の運命なのかな」と思った。

 菅野智之巨人残留の話だ。前も書いたことがあるが、俺は智之のメジャー行きには大賛成。学生時代からの夢だし、ぜひかなえてほしいと思っていた。

 ただ、今年はどうかな、とも思っていた。契約条件どうこうの前に、アメリカの新型コロナの被害がすさまじ過ぎる。感染者も死者も、日本とはゼロが2つ違うからね。公式戦だって、昨年は60試合だったけど、今年も分からない。各球団が緊縮財政を取り、メジャーの高額選手の契約もうまくいかず、マー君(田中将大)の日本復帰さえ、ウワサになるくらいだしね。

 31歳の年齢が言われるけど、それは大丈夫。智之は肩、ヒジに負荷をかけまくっていたタイプじゃないし、あの投球術があれば、1年でどうこうはならない。来年、夢にチャレンジでも、まったく問題はないと思う。

 最初に、俺が「運命」と書いたのは、巨人入りの経緯があるからだ。

 2011年のドラフト会議前、巨人の投手コーチだった俺は、原辰徳監督にこう言われた。

「智之を頼むぞ」

 あのとき智之は、あこがれの巨人、しかも伯父さんの原監督と一緒にやりたいという夢があり、それがかなうはずだった。しかし、・・・

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広島、巨人で活躍した川口和久氏が独自の視点でプロ野球に斬り込む連載コラム。

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