ロッテが6月に見せた猛反攻
ついにロッテがAクラスに食らいついた。7月1日のソフトバンク戦(ヤフオクドーム)、先発の
酒居知史が7回5安打1失点でまとめると、打線は6安打で4点をもぎ取る。最後は6月29日の同戦でサヨナラ負けを喫した
内竜也が、意地の2日連続セーブで試合を締めくくった。
この時点でパ・リーグの順位表には3チームが3位タイで並ぶことになった。ソフトバンク、
オリックス、ロッテ。いずれも37勝34敗の勝率.521(オリックスは3分け)。シーズンの中盤を迎え、2位・
日本ハムとは3ゲーム差、首位・
西武とも4ゲーム差という大混戦となっている。
昨季は球団ワーストの87敗を喫して最下位に沈んだことを思えばロッテが現在の混パを演出していると言ってもいいだろう。今季も順位表の上では5位が続いていたが、上位に離されることなく迎えた6月、猛反攻を見せた。14勝8敗の勝率・.636、打率.285、防御率2.85はいずれもリーグ月間トップの数字だ。
6月反攻の最大の立役者が
ボルシンガーと
石川歩の先発二本柱。週頭を任される石川は4戦全勝の防御率0.99、週末の第2戦を担うボルシンガーは5戦全勝の防御率2.31。6月の月間MVPがどちらの手に転がり込むかは分からないが、絶対的な安定感でカード1勝を確実にもたらし続けた。
さらに29日の試合で7回5安打2失点と試合を作って二軍調整を免れた
涌井秀章、先発転向後は安定した投球を続ける
有吉優樹、ソフトバンク戦後に「今季はじめてチームに貢献できたのかなと思う」と語った酒居と、先発ローテがようやく、そして高いレベルで固まってきている。
攻撃陣は交流戦首位打者(.412)の
角中勝也、好調を維持する
荻野貴司、
中村奨吾に
鈴木大地や
井上晴哉も調子を上向かせ、月間チーム打率は.285を記録。だが個の活躍に対して得点はリーグ最少の81と効率が悪かった。
“走塁改革”を掲げて積極走塁を試みているが、6月のチーム盗塁成功率は69.7%(成功23、盗塁刺10)と、思うようにチャンスを拡大できていない。裏を返せば、得点という意味で攻撃陣には伸びしろがある。本当の意味で投打がかみ合っていくのはまだこれからだ。
「オールスターまでに1つでも貯金を作っていきたい」という指揮官の言葉をどこまで現実のものにできるか。いずれにしても、カモメ軍団が後半戦の台風の目になるはずだ。
写真=BBM