俺は中京で鍛えているんだ
オリックス時代は先発だったが、リリーフ投手として開花した伊藤コーチ
マリナーズの一員として来日を果たした
イチロー。週刊ベースボール3月25日号では、『イチローを語る』という企画を組んだ。
その言葉を一人ずつ紹介していく。
第23回は、
阪神の
伊藤敦規コーチだ。イチロー入団年の92年はオリックスの先発として活躍し、8勝を挙げている。その後、横浜、阪神と移籍し、阪神時代はリリーフとして投げまくった。
「彼が(愛工大)名電で僕が中京(現中京大中京)だから、沖縄で初めてアイツが一軍キャンプに呼ばれたときに『愛知県人会』もやったね。
僕もそのときはバリバリでやっていたから『頑張れよ!』と言っていたんだけど、今では『頑張ってください』と言われちゃう(笑)。でも本当に努力してたよ、寮でも必ず打っていたからね。
シート打撃で対戦して、彼がセーフティーをやったのよ、三塁側に。捕って『1-3』のプレーをやったんだけど、イチローが『伊藤さん、僕アレでアウトになったの初めてです』って。コイツ何者や! スゴいヤツだなと。『高校とはやっぱりフィールディングとかもレベルが違いますね』と。だからオレは『中京で鍛えてんだ!』と(笑)。
バットは、
篠塚和典モデル(元
巨人の好打者)を使っていて、コーチに『まだ使えないだろ、おかしいぞ!』と言われても『いや、僕はコレです』と。振り子にしてもいろいろ言われても自分を貫く勇気というか、あの歳でなかなかないからね」
写真=BBM