今年もまた、ドラフト会議が近付いてきた。1965年秋からスタートし、今年で56回目。制度をさまざまに変えながら歴史を紡いできた。ここでは2019年のドラフト会議まで、1年ごとに振り返っていく。 「ナニワ四天王」はすべて1巡目指名
大阪桐蔭高の辻内(左)平田はそれぞれ巨人、中日から1巡目指名を受けた
2005年から大学生・社会人と分離開催になり、ペナントレース中の10月3日に行われた「高校生ドラフト」は、1巡目指名の抽選で前代未聞の失態劇が演じられた。
辻内崇伸(大阪桐蔭高)の抽選に臨んだ
オリックス・
中村勝広GMと、
陽仲壽(現・陽岱鋼。福岡第一高)のクジを引いた
ソフトバンク・
王貞治監督が、いずれも外れクジを当たりクジと勘違いして大喜び。外れクジにも押してあるコミッショナーの朱印を当たりの印を思い込んだのが原因だが、会議進行役が確認もせずに場内に発表してしまったから、ただの「お粗末」では済まされない。
特に、ソフトバンクを熱望していた陽は、一度は念願叶ったと思いきや間違いと分かり、会見の席で涙に暮れた。実際は、陽は
日本ハム、辻内は巨人が「交渉権確定」の印が押してある当たりクジを引いていた。
辻内を含め「ナニワの四天王」と言われた
平田良介(大阪桐蔭高)は中日、
鶴直人(近大付高)は
阪神が、また
岡田貴弘(現・T-岡田。履正社高)もオリックスが辻内の代わりにと、すべて1巡目指名を受けた。
【2005年高校生ドラフト12球団1巡目】
広島 鈴木将光(遊学館高/外野手)
楽天 片山博視(報徳学園高/投手)
巨人 辻内崇伸(大阪桐蔭高/投手)
日本ハム 陽仲壽(福岡第一高/外野手)
ヤクルト 村中恭兵(東海大甲府高/投手)
オリックス 岡田貴弘(履正社高/外野手)
横浜
山口俊(柳ヶ浦高/投手)
西武 炭谷銀仁朗(平安高/捕手)
中日 平田良介(大阪桐蔭高/外野手)
ロッテ 柳田将利(青森山田高/投手)
阪神 鶴直人(近大付高/投手)
ソフトバンク
荒川雄太(日大高/捕手)
11月の大学・社会人ドラフトで「希望枠」を行使しないことを表明した球団だけが2巡目の指名ができる制度。広島が
今井啓介(中越高)、ロッテが
林啓介(福井商高)をそれぞれ指名した。
写真=BBM