今年もまた、ドラフト会議が近付いてきた。1965年秋からスタートし、今年で56回目。制度をさまざまに変えながら歴史を紡いできた。ここでは2019年のドラフト会議まで、1年ごとに振り返っていく。 巨人が3巡目で見送って……
日本ハムに4巡目指名された長野は渋い表情を見せた
前年に続いて2006年も
ロッテは希望枠を使わない独自路線。
楽天の希望枠の交渉がまとまらずに1巡目指名を行うのも前年同様だった。
希望枠で合意したのは、
ソフトバンク・
大隣憲司(近大)、
巨人・
金刃憲人(立命大)、
西武・
岸孝之(東北学院大)、
阪神・
小嶋達也(大阪ガス)、横浜・
高崎健太郎(日産自動車)など10人。楽天が1巡目で東洋大・
永井怜を指名した後の3巡目、会議はいきなり大荒れとなった。
指名順トップの横浜が、ロッテ熱望を表明していた東京ガス・
木村雄太を指名して会場がどよめく。4番目の
オリックスも、阪神、
ヤクルトなどがマークしていた法大・
大引啓次を“強奪”。巨人が相思相愛の日大・
長野久義を3巡目で見送ったと見るや、日本ハムが4巡目で強行指名に踏み切った。
結局、大引は無事オリックス入団を果たしたものの、木村、長野の2人は頑なに拒否。木村は残留、長野は社会人・ホンダに進んだ。
【2006年大学生・社会人ドラフト12球団1巡目】
横浜 高崎健太郎(日産自動車/投手)
楽天 永井怜(東洋大/投手)
広島 宮崎充登(ホンダ鈴鹿/投手)
オリックス
小松聖(JR九州/投手)
巨人 金刃憲人(立命大/投手)
ロッテ 選択権なし
ヤクルト
高市俊(青学大/投手)
ソフトバンク 大隣憲司(近大/投手)
阪神 小嶋達也(大阪ガス/投手)
西武 岸孝之(東北学院大/投手)
中日 田中大輔(東洋大/捕手)
日本ハム
宮本賢(早大/投手)
武蔵大から初めてドラフト指名された
上園啓史(阪神3巡目)が07年セ・リーグ新人王に輝いたほか、楽天3巡目・
嶋基宏(国学院大)、中日3巡目・
浅尾拓也(日本福祉大)、ソフトバンク5巡目・
長谷川勇也(専大)らが大きな戦力となっている。
写真=BBM