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ドラフト回顧

【ドラフト回顧・2007年】希望枠撤廃で11球団が入札に臨む、大場翔太に6球団が競合

 

今年もまた、ドラフト会議が近付いてきた。1965年秋からスタートし、今年で56回目。制度をさまざまに変えながら歴史を紡いできた。ここでは2019年のドラフト会議まで、1年ごとに振り返っていく。

長谷部にも5球団が1位指名


大学日本代表時のヤクルト1位の加藤(左)、ソフトバンク1位の大場(右。中央は早大・斎藤佑樹


 1993年以来14年間続いてきた“逆指名”がついに消えた。分離開催3年目の2007年、大学生・社会人ドラフトの希望枠が廃止され、高校生ドラフトと同じく1巡目入札のシステムが採用された。

 大学生・社会人のトップ選手を巡る争奪戦も久々にドラフト当日の運命にゆだねられ、結局、単独入札は慶大・加藤幹典を指名したヤクルトだけ。6球団が東洋大・大場翔太、5球団が愛知工大・長谷部康平を入札。評価の高かった大学球界の逸材2人に、11球団が抽選覚悟の正攻法で挑んだ。

 東都リーグ新記録の通算401奪三振を誇る大場を引き当てたのは、ソフトバンク・王貞治監督。北京五輪アジア予選代表候補の長谷部は、楽天・島田球団社長が“らつ腕”ぶりを発揮して当たりクジを射止めた。

【2007年大学生・社会人ドラフト12球団1巡目】
オリックス 小林賢司(青学大/投手)
ヤクルト 加藤幹典(慶大/投手)
西武 平野将光(JR東日本東北/投手)
広島 篠田純平(日大/投手)
楽天 長谷部康平(愛知工大/投手)
横浜 小林太志(JR東日本/投手)
ソフトバンク 大場翔太(東洋大/投手)
阪神 白仁田寛和(福岡大/投手)
ロッテ 服部泰卓(トヨタ自動車/投手)
中日 山内壮馬(名城大/投手)
日本ハム 多田野数人(元インディアンス/投手)
巨人 村田透(大体大/投手)

 再入札でも日大・篠田純平、トヨタ自動車・服部泰卓がいずれも3球団競合。広島、ロッテがそれぞれ交渉権をモノにした。3度目の入札で日本ハムが指名したのは多田野数人。立大卒業時の5年前、ドラフト指名を見送られた元メジャー・リーガーが晴れて日本球界入りを果たした。

 なお、2巡目は高校生ドラフトで1巡目入札を回避する球団はなく、現実的にはまったく無用の制度。分離開催はこの年で終わり。08年から4年ぶりに一括開催が復活することになった。

写真=BBM

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