今年もまた、ドラフト会議が近付いてきた。1965年秋からスタートし、今年で56回目。制度をさまざまに変えながら歴史を紡いできた。ここでは2019年のドラフト会議まで、1年ごとに振り返っていく。 木村雄太は念願のロッテへ
高校の先輩・原監督が当たりクジを引き当て巨人へ1位で入団した大田
2005年から行われていた高校生と大学生・社会人の分離ドラフトが撤廃され、4年ぶりの一括開催となった2008年。最大の目玉は社会人No.1投手の呼び声が高かった
田澤純一(新日本石油ENEOS)だったが、9月上旬にメジャー挑戦を表明。ドラフトでも強行指名する球団は現れなかった。
1巡目に競合したのは東海大相模高・
大田泰示(現
日本ハム)、早大・
松本啓二朗、日本通運・
野本圭の3人。
ソフトバンクと巨人が競合した大田は
原辰徳監督が抽選を引き当てた。中学時代に野球教室で原監督の指導を受けていた大田は、原監督の母校である東海大相模高に進学して才能が開花。高校通算65本塁打を引っさげての巨人入りとなった。松本は横浜と
阪神が競合して横浜が交渉権を獲得。
楽天と
中日から指名された野本は中日が当たりクジを引いている。
亜大の
岩本貴裕と東洋大の
大野奨太は東都リーグでの対戦中に岩本が
広島、大野が日本ハムから相次いで1巡目指名を受け、試合後にそろって会見に臨んだ。
ロッテは東京ガスの
木村優太を1巡目で指名。ロッテ希望の木村は2006年ドラフトで横浜から3巡目の指名を受けながら拒否。その後は
西武から栄養費を受け取っていた問題で謹慎処分を受けるなど、紆余曲折の末のロッテ入りだった。
一方、再び入団拒否となったのが06年に日本ハム4巡目を拒否していたHondaの
長野久義。2巡目で巨人が指名する前にロッテが指名したものの、Hondaへの残留が決定している。
【2008年ドラフト12球団1位】
横浜 松本啓二朗(早大/外野手)
ソフトバンク
巽真悟(近大/投手)
ヤクルト 赤川克紀(宮崎商高/投手)
楽天
藤原紘通(NTT西日本/投手)
広島 岩本貴裕(亜大/外野手)
ロッテ 木村雄太(東京ガス/投手)
中日 野本圭(日本通運/外野手)
日本ハム 大野奨太(東洋大/捕手)
阪神
蕭一傑(奈良産大/投手)
オリックス 甲斐拓哉(東海大三高/投手)
巨人 大田泰示(東海大相模高/内野手)
西武
中崎雄太(日南学園高/投手)
3巡目以降は上位指名以上に豊作だった。3巡目ではヤクルトの正捕手となる
中村悠平(福井商高)、オリックスはのちの阪神を含め2ケタ勝利6度を記録する
西勇輝(菰野高)、西武は最強二塁手の1人となる
浅村栄斗(大阪桐蔭高、現楽天)を指名している。
さらに5巡目ではソフトバンクが09、10年に最優秀中継ぎ、12年に最多勝に輝く26歳の
攝津正(JR東日本東北)を獲得。日本ハムは同じく5巡目で
中島卓也(福岡工高)を指名している。
写真=BBM