自分が指導者になったら、現役時代に受けた理不尽な練習やアドバイスなどは絶対にやらないと決めていました/筆者は中央。写真=BBM
セ・リーグは
巨人が独走しています。今季は、原(
原辰徳)監督の采配が話題になっています。原監督の原点は父親の貢さんにあるとか、巨人の藤田(
藤田元司)監督にあるなどと言われています。でもその真相は、原監督にしか分かりません。
では、私はというと──まあ、1年だけでも一軍監督を務めさせていただきましたので、監督の理想像を追いかけたのは事実です。しかし、どの監督の影響を受けたかというと、答えは全員です。
楽天のコーチとして呼んでもらった星野(
星野仙一)監督。オヤジの闘将と言われる部分も参考にしました。例えば、この場面でこの選手なら、みんなの前で怒っても、本人もほかのみんなもモチベーションが上がるぞ、と思い演技をしたこともあります。そういうことも含めて、いろいろな監督のいいところ取りをしていました。その中で、監督や教える立場になって絶対にやろうと考えていたことは、一つだけでした。
「現役時代に理不尽に、強制でやらされた練習やアドバイスを選手たちには絶対にしない」
です。つまり、この練習は何が目的でやっているのか? それを明確にせずに、ただ「やれ」とだけ言ってやらせる指導のやり方はしないと誓いました。当時「何の意味があるんだ?」と思いながら、イヤイヤやっていましたが、これってモチベーションは上がりませんよね。
「●●●ができなかったから罰走」などは特にそうです。その練習と罰走とは関係ないでしょ? とやっているほうは思うわけです。そのプレーができないのなら、罰として、その練習ができるまでやらせるなどというほうが納得いきます。
もっと言ってしまえば、私にとって痩(や)せることは本当にきついことで、体型ももともとこういう感じでした。それを医学的にも、私の体質についても調べもしないで「痩せろ」と言われ、めちゃくちゃ走らされ、減量をさせられたときには、本当に何なんだろう? と思いました。
その反抗として、さんざんそういうことを教育しながら人が足りないからと一軍昇格が決まったとき、私は一軍昇格を一旦拒否しました(苦笑)。この行動はいけないことなので、その釈明? は来週にします。それくらい私は説明のない首脳陣に対し、嫌悪感を覚えていました。
だから私が指導する立場になったら、まず、練習の意味をしっかり伝えよう、罰などは与えないようにしようと強く思っていました。以前にもこのコラムでお話ししましたが、
西武の打撃コーチ時代に罰金を取ったというウソが出回っていますが、あれは真っ赤なウソです。自分がやられてイヤだったことは絶対にしないようにすると誓ったわけですから。
そして、監督になったときは、選手ととにかく話をして性格を把握しようとしていました。常に首脳陣と話し合い、一人ひとりの選手をどう指導していこうか、という会議もたくさんやりました。話が尽きません、続きは来週にします。
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