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ドラフト回顧

【ドラフト回顧・2019年】高校生3選手に10球団、“令和の怪物”佐々木朗希はロッテへ

 

今年もまた、ドラフト会議が近付いてきた。1965年秋からスタートし、今年で56回目。制度をさまざまに変えながら歴史を紡いできた。ここでは2019年のドラフト会議まで、1年ごとに振り返っていく。

森下はまさかの単独


注目の佐々木は4球団競合の末、ロッテ・井口監督が当たりクジを引いた


 2018年は第1回1巡目入札で高校生3選手に11球団が集中したが、翌19年は同じく高校生3選手を10球団が指名した。令和初の「運命の日」に最も人気を集めたのは163キロ右腕・佐々木朗希(大船渡高)。6月2日にいち早く1位を表明した日本ハムのほか、2日前にロッテ、前日には西武が公言し、当日は地元・東北の楽天が入札して計4球団。2番目にクジを引いたロッテ・井口資仁監督が「令和の怪物」の交渉権を引き当てた。

 順番は前後するが、最初に抽選箱が登場したのは、3球団が重複した甲子園準優勝投手の奥川恭伸(星稜高)だった。ドラフト2日前に公言したヤクルトに、事前公表を回避した阪神巨人が入札。ヤクルト・高津臣吾新監督が3チームのトップを切って右手で引くと、当たりクジを手にしている。

 高校通算55本塁打を誇る石川昂弥(東邦高)にも3球団。中日はドラフト前日、地元・愛知出身の逸材の1位入札を決定。オリックスと佐々木の入札が有力視されていたソフトバンクも参戦して、3チームの抽選。2番目にクジを引いた中日・与田剛監督が昨年の根尾に続いて、強運を発揮。佐々木、奥川、石川ともドラフト前に指名を公言した3球団が吉と出たことになる。

 また、前日に明大・森下暢仁の1位を公表した広島は、競合覚悟の入札だったが、まさかの単独指名。DeNAも独自路線。攻守走がそろう地元・神奈川の森敬斗(桐蔭学園高)の一本釣りに成功した。

【2019年ドラフト12球団1位】
ヤクルト 奥川恭伸(星稜高/投手)
オリックス 宮城大弥(興南高/投手)
中日 石川昂弥(東邦高/内野手)
日本ハム 河野竜生(JFE西日本/投手)
広島 森下暢仁(明大/投手)
ロッテ 佐々木朗希(大船渡高/投手)
阪神 西純矢(創志学園高/投手)
楽天 小深田大翔(大阪ガス/内野手)
DeNA 森敬斗(桐蔭学園高/内野手)
ソフトバンク 佐藤直樹(JR西日本/外野手)
巨人 堀田賢慎(青森山田高/投手)
西武 宮川哲(東芝/投手)

 7球団は「外れ1位」へ。第2回入札では151キロ左腕・河野竜生(JFE西日本)にオリックスと日本ハム、154キロ右腕・宮川哲(東芝)には巨人と西武が重複した。抽選者を川村浩二球団社長から栗山英樹監督へ交代した日本ハムが、宮川の交渉権を獲得。西武・辻発彦監督は、原辰徳監督とのペナント1位チーム同士の一騎打ちを制した。外れ1位での単独入札は阪神が西純矢(創志学園高)、楽天が小深田大翔(大阪ガス)、ソフトバンクが佐藤直樹(JR西日本)を射止めた。

 最後に「外れ外れ1位」だ。左腕・河野を外したオリックスは、同じくサウスポーの宮城大弥(興南高)。宮川を外した巨人は同じ右腕の堀田賢慎(青森山田高)。ともに「即戦力」から「将来性」に切り替えている。

写真=BBM

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