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2018沖縄キャンプ展望

沖縄キャンプ9球団の注目選手をチェック!

 

いよいよ球春到来! 2018年シーズンへ向けた春季キャンプの開幕が近づいてきた。沖縄キャンプの見どころや注目ポイント、魅力をお伝えしていこう。今回は沖縄でキャンプを行う9球団の注目選手をチェックしていく。

2018沖縄キャンプガイドvol.3


vol.1「沖縄キャンプのはじまり」はこちら
vol.2「沖縄キャンプ9球団見どころチェック」はこちら

東北楽天ゴールデンイーグルス
キャンプ地:久米島野球場(一次)、金武町ベースボールスタジアム(二次)

藤平尚真
投手/20歳/右投右打
2年目の2ケタ勝利実現へ
 3勝(4敗)を挙げたルーキーイヤーから、大いなる飛躍が期待される右腕だ。昨季は6月にプロ初先発を果たすと、3度目のチャンスで初白星。チームが低迷した夏場以降には、2度にわたって大型連敗をストップした。大崩することはほとんどなく、最長7回まで投げている。今季の目標は「1年間一軍に定着して2ケタ勝利」。春季キャンプでは一軍スタートが決定した。あこがれの存在である則本昂大岸孝之の背中を追いかける毎日となる。将来のエース候補は、先輩たちから少しでも多くのことを吸収し、シーズンの活躍につなげるつもりだ。


北海道日本ハムファイターズ
キャンプ地:名護市21世紀の森公園(あけおみSKYドーム及びブルペンを使用)/かいぎんスタジアム国頭(二軍は国頭を使用)

西川遥輝
外野手/26歳/右投左打
球界No.1のトップバッターへ
 新生ファイターズの顔にならないといけないのがこの男だ。入団7年目の昨シーズンは3割にこそ届かなかったが、138試合に出場して打率.296。39盗塁で3年ぶりの盗塁王にも輝いた。外野守備でも持ち前の野球センスで好守を連発し、初のゴールデン・グラブ賞も獲得した。指揮官は「レギュラーは白紙」と言っているが、攻守走でこの男の存在価値は代えの利かないピースと言ってもいいだろう。「すべての面でキャリアハイを目指す」と2018年は首位打者のタイトル獲得も視野に入れ、春季キャンプから躍動するはず。西川遥輝が球界No.1のトップバッターへと駆け上がる。


千葉ロッテマリーンズ
キャンプ地:石垣市中央公園野球場(一、二軍)

鈴木大地
内野手/29歳/右投左打
チームを活性化させるコンバート
 昨季は二塁コンバートで持ち前の守備の安定感を取り戻し、ゴールデン・グラブ賞を獲得した。しかし、今季は三塁へ再コンバートとなる。それはチームとして守備面の不安が大きかったホットコーナーを安定させるためで、井口資仁新監督の信頼の表れとも言える。「三塁でもゴールデン・グラブを狙う」と意欲を見せる鈴木のコンバートを機に内野のレギュラー争いは激化しているが、四番候補として獲得したドミンゲスも三塁守備には定評があり、鈴木も決して定位置が安泰というわけではない。チームリーダーが目の色を変えてポジション奪取に臨めば、キャンプ全体が活性化することは間違いない。


広島東洋カープ
キャンプ地:コザしんきんスタジアム(一軍)

坂倉将吾
捕手/20歳/右投左打
ブレーク必至の“打てる捕手”
 高卒1年目の昨季にファームで打率.298、1本塁打、34打点、13盗塁の大活躍でいきなり正捕手の座を奪取。ウエスタン・リーグ優勝、ファーム日本一の立役者となった。前述の強打に加え、強肩と物怖じしないリード、練習に取り組む姿勢でも高く評価されており、大ブレークまで秒読み段階と言える。ドラフト1位では同じく強肩強打の捕手・中村奨成が入団したが、先輩として負けるわけにはいかない。今季に見据えるのは開幕一軍。まずはバッティングで首脳陣の信頼をつかみ、広島黄金時代を支える扇の要としてたくましく成長を遂げるつもりだ。


阪神タイガース
キャンプ地:かりゆしホテルズボールパーク宜野座(宜野座村野球場)(一軍)

高山俊
外野手/25歳/右投左打
再ブレークでチームの顔へ
 約1年前、新人王を獲得した高山俊にはチームの顔としての活躍が大いに期待された。一番打者として1年目以上の成績を残すだろうと。しかしフタを開けると「2年目のジンクス」に陥り大不振。ライバルの中谷将大が20本塁打を記録。中堅の俊介も終盤戦に「一番・中堅」のスタメンを獲得するなど活躍。二軍落ちも経験し、すかっかり存在感は薄くなってしまった。もともと打撃には非凡なものがある高山だけに、このままで終わる男ではない。今キャンプでまず課題の守備力を磨き、不振だった打撃力を改善していくようなキャンプができれば、2018年は必ず再ブレークするはずだ。


横浜DeNAベイスターズ
キャンプ地:宜野湾市立野球場(一軍)、嘉手納野球場(二軍)

神里和毅
外野手/24歳/右投左打
レギュラー取り狙うルーキー
 地元・沖縄出身のドラフト2位、俊足・強打の神里和毅に注目が集まっている。「目標は開幕一軍」とルーキーは足元を見つめるが、ラミレス監督は右翼のレギュラーである梶谷隆幸と2年目の細川成也、そして神里の3人を競わせる方針だ。武器は積極的な打撃と俊足で、本人は阪神の糸井嘉男のような攻守走3拍子そろった選手を理想に挙げている。足には自信があり、1年目から「盗塁ができるほうがいい。20盗塁はいけると思う」と自信たっぷりだ。ファンの間ではその整った顔立ちから人気が急上昇中。実力と人気を兼ね備えた大型ルーキーの誕生を予感させる。


読売ジャイアンツ
キャンプ地:沖縄セルラースタジアム那覇(一、三軍)

小林誠司
捕手/29歳/右投右打
日本の正捕手の本気度
 あえて小林誠司を推す。昨春の第4回WBCでは侍ジャパンの先発マスクを全7試合で任され、攻守にわたる活躍で下馬評の高くなかった日本の4強進出に貢献した。しかし、ペナントレースでは2年連続で打率最下位(規定打席以上)に加え、13連敗や11年ぶりのBクラス転落など、ネガティブな話題の責任の矛先は、正捕手2年目の小林に向けられることが多かった。今季は宇佐見真吾田中貴也との定位置争いがしきりに取り上げられるが、守備力に加え、最も大切な経験値では彼らは足元にも及ばない。小林本人もそれは重々承知しているが、周囲の雑音を黙らせるには結果で示す必要があり、昨オフは振りに振り込んだ。その成果を、沖縄で見たい。


中日ドラゴンズ
キャンプ地:北谷公園野球場(一軍)、読谷平和の森野球場(二軍)

小笠原慎之介
投手/21歳/左投左打
大役大抜てきの可能性も
 昨年はオフに受けた左ヒジクリーニング手術のために開幕こそ出遅れたが、高卒2年目にして22試合、119回を投げた。5勝8敗、防御率4.84の成績には納得していないが、終盤には6試合連続でクオリティスタートを果たし、確かな成長を見せた。チームは2年連続で2ケタ勝利投手がゼロに終わっており、低迷脱出のためには先発ローテーションの柱を確立したい。昨年10月に20歳となった小笠原も活躍を期待される一人。主力投手の象徴でもある開幕投手の座は流動的で、このキャンプの過ごし方によっては、初の大役に抜てきされる可能性はある。怪物左腕がさらなる飛躍を遂げられるか。


東京ヤクルトスワローズ
キャンプ地:浦添市民球場(一軍)

原樹理
投手/25歳/右投右打
今季こそ開幕ローテ入りを!
 3年目こそは白星を先行させたい。昨季の投球回数はブキャナンに次ぐ2位と、フル回転を見せた。クオリティー・スタート率は63パーセントも、3勝11敗と力投は報われなかった。それでも防御率は5点台から3点台に良化。奪三振数も3倍以上に増えた。本人はストレートの質向上を実感している。外国人投手を中心に、先発候補が一気に増えた今季。春季キャンプでのアピールは不可欠だ。昨季は開幕ローテ候補に挙げられながら、最後の1枠を逃した悔しさがある。1年間先発ローテを全うできれば、自ずと数字はついてくるはずだ。

沖縄プロ野球キャンプ2018
https://www.okinawabaseball.com/

写真=BBM

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