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編集部員コラム「Every Day BASEBALL」

特別ルールでどのような戦略が?“withベースボール”の喜びを感じるシーズン

 

楽天の開幕投手を務める則本昂大


 プロ野球がいよいよ始まる。3月30日から始まった自粛期間を経て、約3カ月遅れでの開幕だ。ファンにとっては野球のある日常が戻ってくる喜びと、しばらくは無観客での試合になるため、球場観戦できない寂しさとが同時にあるだろう。だがその気持ちは選手も同じはず。その中でいかに野球ができる喜びを感じながら、画面の先にいるファンに全力プレーを見せられるか。選手たちのプレーには注目していきたい。

 さらに、今年はタイトなスケジュールとなるため、特別ルールが施行される。選手の疲労などを考慮し、出場選手登録は29人から31人に、試合に出場可能なベンチ入り人数は25人から26人に拡大される。さらに外国人枠は現行の4人から5人となる(ベンチ入りは4人)。各チーム、どういった戦略を立て、増えた枠をどのように有効利用するのか。120試合で勝負が決するだけに、その増えた枠の使い方が優勝争いに大きく影響してくるだろう。

 試合展開や打順にもかかわってくるのが、延長戦が10回で打ち切りとなることだ。リリーフ投手を出し惜しみすることはなくなるが、タイトな日程を考えると人数をかけたくない。積極的な攻撃のことを考え、二番に攻撃的な選手を置くことも考えられる。このルールが戦い方にどのように影響するのかも見ものだ。

 また、長距離移動が多いパ・リーグは同じチームと6連戦となることも多くなる。こちらも戦略がこれまでとは大きく変わってくるだろう。投手が有利に立つのか、野手が有利に立つのか予想ができないだけに、どういった戦いになるのか楽しみだ。一方のセ・リーグはクライマックスシリーズがないこともあり、スタートダッシュがより重要になってくるのではないか。開幕から目が離せない戦いが続きそうだ。

 開幕が遅れたことに加え、戦略的にも昨年とは違った戦いを見せそうなプロ野球。ファンも球場や居酒屋ではなくリモート応援やリモート飲みといった新たなスタイルでの楽しみ方が増えるのかもしれない。“withコロナ”を悲観するのではなく“withベースボール”の喜びを感じる特別なシーズンにしたいものである。

文=阿部ちはる 写真=BBM


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