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沖縄キャンプ2024

<沖縄キャンプ2024>石田雄太&長谷川晶一 キャンプの達人による沖縄周遊のススメ

 

本誌連載コラムでもお馴染み、沖縄キャンプ取材歴35年の石田雄太氏。12球団すべてのファンクラブ会員を20年継続する長谷川晶一氏。立場は違えど、毎年2月になれば必ず沖縄を訪れ、東奔西走する「沖縄キャンプの達人」が、独断と偏見で沖縄の魅力を指南。キャンプ見学を予定しているファンはぜひ参考にしてほしい。
取材・構成=平尾類(ライター)
※ここで挙げた観光・グルメスポットはあくまで達人の個人的感想です。訪れる場合は営業時間等をお調べの上ご訪問ください。

石田雄太[左]、長谷川晶一[右]


復元中の首里城は必見(長谷川) 高校巡礼が面白い(石田)


長谷川 僕は30年以上、車の運転をしていないペーパードライバーなので、沖縄はバスで移動しています。今年も2月のキャンプに行きますが、「沖縄の路線バスおでかけガイドブック[改訂版]」に詳しいルート表が乗っているので重宝します。バスに乗って外の景色を見ていると、降りてみたいなという場所が出てくる。海岸沿いとかで途中下車して。沖縄は異国情緒があるんですよね。

石田 バス旅ならではの魅力があるんですね。僕は車で移動しますが、色々なキャンプ地にフットワーク軽く行ける。沖縄各地の美味しい店に行きたいのでその点でも便利かなと。ただ、早く予約しないとレンタカーが借りられないので、沖縄に来られる方は気を付けた方がいいかもしれません。あとETCカードは持参した方がいいです。名護に行く許田インターチェンジはETCレーンでなかったら、30分近く渋滞することもありますから。

──沖縄でおススメの観光地はありますか?

長谷川 首里城(1)には毎年足を運んでいました。かつてはゆいレール(沖縄都市モノレール線)の終点だったので時間を気にせず、楽しめた。ご飯を食べられる店も多いですし、ビールを飲みながら1人でボーっとできる場所があります。あのゆったりとした雰囲気が好きで。19年10月に火災で首里城正殿が焼失した時は衝撃でしたけど、復元作業が進んでいるというニュースを見たので行ってみたいですね。

石田 僕は首里城をウォーキングする時、首里高校(2)の近くを通るとテンションが上がる(笑)。豊見城高校や興南高校など、野球の歴史が深い高校が沖縄には多い。ロッテがキャンプをする西崎球場(糸満市)の近くに沖縄水産高校があるので気になります。練習を見学できるのかは分からないけど、野球好きの方なら高校巡礼の旅は面白いかもしれない。あと、沖縄は町の雰囲気が全然違うんですよ。糸満は戦争で激しい地上戦を経験した場所でひめゆりの塔(3)があります。漁師町でにぎわいがあるけど、はかなさ、切なさも感じる。一方で国頭は海岸に近いけど海のにおいがしなくて、緑の中で山の感覚が凄く強い(4)。

長谷川 学生時代は沖縄各地の戦争の激しかった場所に行きましたが、もう一度行ってみたいですね。

気になる店はどこでも行く(石田) 沖縄の風にビールは最高(長谷川)


──飲食店はいかがですか?

石田 事前に調べ尽くしてから行きますね。調べるポイントはお店のメニューです。同じ沖縄料理でもバリエーションが店によって全然違う。郷土料理のにんじんしりしりとかあると、「このお店は志が高いな」って(笑)。必ず行くのは宜野湾にあるタコス専門店の「メキシコ」(5)。タコスの皮と具材、サルサのソースのバランスが絶妙で超一級品です。

長谷川 僕は浦添の「高江洲そば」(6)によく行きます。お店がキャンプ地の近くなので、ヤクルトファンが集まる。この店の沖縄そばを食べることがキャンプ地に行く楽しみの一つですね。あとお酒を飲むので、那覇市内のお店が多いかな。長嶋茂雄さんが監督時代に専属マネージャーだった菊池幸男さんが沖縄に住んでいて。色々なお店を紹介して頂いています。菊池さんを取材して「不滅 元巨人軍マネージャー回顧録」を出版した時の書籍をプリントしてラベルにした泡盛が「壽濃(じゅの)」(7)という日本料理屋にあって。2013年に完成して10年経った昨年初めて開封して飲みました。美人姉妹がお店を切り盛りしていて、料理もおいしいです。

石田 気になる店は車でどこでも行くのですが、今帰仁アグーの専門店「長堂屋」(8)はびっくりするぐらいおいしかった。絶品です。大宜味村にある島野菜を使った沖縄料理の「笑味の店」(9)、牛肉そば「前田食堂」(10)、名護市の「鉄板焼 朝日」(11)もおすすめです。ステーキの脂がきつくないのがありがたくて。名護は「ひがし食堂」(12)も行ってほしいお店ですね。ぜんざい(かき氷)がたまらなくおいしい。お店の営業が終わる前にキャンプ取材が終わってほしいなあ(笑)。

長谷川 沖縄は美味しい店が多いですよね。すべて那覇ですが「真心亭」(13)、味処「だいこん」(14)、寿司割烹「元」(15)、「裕楽」(16)はおススメです。「だいこん」は鍋のあぐー豚がさっぱりしていて優しい味で。「裕楽」は沖縄料理が続いた後、本格的なお寿司が食べたくなったらここを訪れています。

石田 僕はお酒が弱いので普段は飲まないのですが、那覇の居酒屋「カラカラとちぶぐゎ〜」(17)で少しだけ飲みます。沖縄各地で作られた泡盛がズラッと置いてある店なので、今年のテーマにハマる名前の泡盛を探すのが楽しみで。松坂大輔中日に移籍した時は「龍」の名前が入った泡盛を飲みました。今年はどんな名前の泡盛に巡り合えるか楽しみです。

長谷川 沖縄の風に吹かれてビールを飲むと野球が始まるなとワクワクします。ヤクルトの選手の動きは分かっているけど、周辺視野で違和感のある動きが気になる。今年で言えば、西川遥輝のユニフォームの着こなしとか、原樹理がブルペンで思いっきり投げられるかなとか。ランチ特打で青木宣親山田哲人村上宗隆の3人が並んで打つ光景は「夢の競演」です。今年も頼むぞって。

石田 キャンプの醍醐味はブルペンだと思います。あれだけ近くで見られる機会はなかなかない。投手のフォーム、テンポ、仕草とか見てほしいですね。あと、キャッチボールの位置取りで人間関係が分かる(笑)。移籍で新加入の選手は誰とやっているのかとか、チーム内の人間模様を想像するのが面白い。沖縄に行くのが本当に楽しみですね。長谷川さんほどお酒が得意ではありませんが、お食事に付き合って頂けますか?

長谷川 ぜひお願いします! 絡み酒はしないので安心してください(笑)。

PROFILE
石田雄太(いしだ・ゆうた)●週刊ベースボールで連載「石田雄太の閃球眼」を執筆中のベースボールライター。1964年生まれ。NHKディレクターを経てフリーランスの野球記者に。毎年、沖縄キャンプで各球団を精力的に取材している。

長谷川晶一(はせがわ・しょういち)●出版社勤務を経てフリーライターに転身。ヤクルトから始まり今では12球団全てのファンクラブに加入し、12球団ファンクラブ評論家の肩書も持つ。小社から『基本は、真っ直ぐ──(石川雅規・密着ドキュメント)』を発行。



那覇市


(1)首里城 那覇市首里金城町1-2

(2)首里高校 那覇市首里真和志町2-43

(7)壽濃 那覇市宇栄原1-28-10
(13)真心亭 那覇市小禄698
(14)味処「だいこん」 那覇市松尾2-9-4
(15)寿司割烹「元」 那覇市若狭3-3-14
(16)裕楽 那覇市東町27-4
(17)カラカラとちぶぐゎ〜 那覇市久茂地3-15-15

糸満市


(3)ひめゆりの塔 糸満市伊原671-1

国頭郡


(4)国頭の風景

(8)長堂屋 国頭郡今帰仁村玉城710-1
(9)笑味の店 国頭郡大宜味村字大兼久61
(10)前田食堂 国頭郡大宜味村津波985

宜野湾市


(5)タコス専門店「メキシコ」 宜野湾市伊佐3-1-3

浦添市


(6)高江洲そば 浦添市伊祖3-36-2

名護市


(11)鉄板焼「朝日」 名護市大南2-1-42
(12)ひがし食堂 名護市大東2-7-1

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