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悲劇の10.19とは

【悲劇の10.19とは01】西武黄金時代真っただ中で「走る獅子、追う猛牛」

 

 週刊ベースボール4000号記念トークイベント第3弾として行わるのが、「梨田昌孝×西村徳文」の組み合わせだ。トークテーマは「10.19の真実」。盛り上がることは必至だが、トークショー開催に先駆けて、1988年に近鉄が見せたドラマチックな「10.19物語」をお届けする。

西武4連覇確実と思われていた中で


1988年、近鉄の監督に就任した仰木監督


 昭和が終わろうとしていた1988年、秋。西武ライオンズは黄金時代の真っ只中にあった。その前年まで、リーグ3連覇。日本シリーズも連覇中。チームリーダー・石毛宏典、主砲・秋山幸二、若き四番・清原和博、内野の要・辻発彦、正捕手・伊東勤らの攻撃陣に、工藤公康渡辺久信郭泰源らの強力投手陣と戦力は極めて充実しており、この年も西武のリーグ優勝は揺るがないもの、と野球ファンの大半は思っていた。

 しかし、仰木彬監督就任1年目の近鉄も、80年以来8年ぶりの栄光に向けて勢いに乗っていた。シーズン途中に主砲のリチャード・デービスが不祥事で途中帰国したものの、中日の二軍でくすぶっていたラルフ・ブライアントを獲得したところ、大当たり。三振か本塁打かという粗さもあったがそれもまた近鉄らしく、豪快なフルスイングで打線を引っ張った。投手陣は前年の新人王・阿波野秀幸を筆頭に加藤哲郎小野和義、抑えの吉井理人とこちらも充実しており、西武との優勝争いに参加するだけの戦力は整っていた。

 組織化された管理野球の西武による連覇を、豪快な個人の集合体である近鉄が打破できるか、というのがこの年のパ・リーグの対立構図であった。

 開幕からの9試合を8勝1敗で終えるなど開幕ダッシュに成功した西武は、年間を通じて首位をキープ。6月28日の南海戦(平和台)に勝利した時点で、2位・近鉄との差はこの年最大の8ゲームに広がった。

 9月13日の時点でも首位・西武と2位・近鉄の差は6ゲーム。直接対決を4試合残してはいたが、西武の残り試合はわずか20とシーズン終了が押し迫っており、西武の4連覇はまず間違いないと思われていた。

 しかし、ここから、猛牛が猛烈に、獅子を追い掛ける。翌日からの12試合を11勝1敗と、連勝街道を突っ走った。その1敗は西武との直接対決に敗れたものだった。それでも10月5日の日本ハム戦(東京ドーム)に勝利した時点で西武の勝率を1厘だけ上回り、ゲーム差ゼロながら、近鉄が4月22日以来の首位に立った。

 この年は雨天中止が多く、人工芝の西武球場(現ベルーナ)を本拠地とする西武と、土の藤井寺球場がホームの近鉄は日程消化に差があった。近鉄は未消化の試合がシーズン終盤に多く残されており、10月7日から19日までの13日間で15試合(つまり、ダブルヘッダー2日を含む)が予定されていたのである。しかも、「所沢→大阪→川崎→大阪→川崎」という移動も含まれた強行日程の13日間だった。

=続く=


梨田昌孝×西村徳文が語る「10.19の真実」
【日時】2025年10月9日(木) 17時開場 18時開演(19時半・終演予定)
【会場】ニッショーホール[東京都港区虎ノ門2丁目9-16]
【ゲスト】梨田昌孝 西村徳文
【MC】上重聡
◆会場チケット 料金:6,000円(別途手数料がかかります)
【お申し込みはコチラ】「会場チケット」

◆配信チケット 料金:1,500円(別途手数料がかかります)
【視聴期日】当日〜2025年10月16日(木)23:59まで
【購入期日】2025年10月16日(木)21:00まで
※購入するにはZAIKOの会員登録(無料)が必要です
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写真=BBM

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