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2019阪神タイガース特集

阪神・矢野監督が口にする「超積極的野球」の意味とは?

 

選手たちと向き合い、監督としての「あり方」を示す/写真=BBM


「二軍でプレーするためにプロに入ったんじゃない」

 昨年二軍監督に就任した矢野燿大は、ファームの選手たちにそう語った。

 監督は選手たちの可能性を広げてくことを一番に考えている。選手たちのポテンシャルを信じ、積極的なプレーを導き出す。そのために3つのテーマを掲げた。

『超積極的野球』

『諦めない』

『誰かを喜ばせる』

 矢野監督の考えは勝つことよりも“育成”が先だった。勝つことを優先させると選手たちのパフォーマンスや成長の妨げになる。だからこそ、超積極的なプレーでの“失敗”は許すという育成法を取った。

「アウトになったことを次につなげる、準備力を高める。オレら(首脳陣)がそれを許さないと選手を押さえつけてしまう」と常にこの言葉を矢野監督は口にした。

 同時に攻守交代では“全力疾走”を求め、三振やゲッツーを打ったときに落ち込んだまま守備に就くのではなく、気持ちを切り替え、“全力疾走”をすることで、スキのない選手を作り上げていくことを狙った。

 本拠地で勝利試合終了後、ファンにあいさつをするときには、指名制で選手がマイクを持ちスピーチをすることも習慣づけた。

「選手自身が考えて話をすることで、お客さんも喜んでくれる。この経験で一軍を目指す力にも変わる」と矢野監督。選手たちもこれらを実行し成長させ、8年ぶりの優勝へと突き進んだ。

 一軍監督に就任した今季、キャンプでは選手たちと積極的にコミュニケーションをとり、選手の「自主性」を重視した練習を行ってきた。

 その意図を矢野監督は「プロとしてやる以上は『自分がどういうふうになりたいか』『どうありたいか』を考えたときに、自然と何をやるべきか見えてくるし、それが自主練習に現れていると思います」と語る。

 選手個々がそれぞれの「あり方」を思い描いたとき、矢野監督率いる猛虎軍団は旋風を巻き起こす。

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