ドラフト会議直前までスカウトたちは他球団の動向を読みながら、1位指名選手の選定を行う。各球団の指名方針を抑えながら今年の1位指名を最終予想する。 広島・佐々木高倍率で奥川か森下?
第1回選択予想選手 奥川恭伸投手(星稜高) 1位は「ドラフト前日の会議で決める」(
苑田聡彦スカウト統括部長)ということで、
佐々木朗希(大船渡高)、奥川恭伸(星稜高)、
森下暢仁(明大)から誰が選び出されるかは現時点でははっきりしない。ただ佐々木は高倍率とみれば回避もあり、現実的には、将来性の奥川、即戦力の森下の選択になるか。投手出身の
佐々岡真司新監督の意向もカギ。外れ1位には
河野竜生(JFE西日本)、
西純矢(創志学園高)。その2人も無理な場合は、
吉田大喜(日体大)、
宮川哲(東芝)あたりが浮上か。
DeNA・今年も即戦力大学生投手
第1回選択予想選手 森下暢仁投手(明大) 10月9日、
吉田孝司スカウト部長らが大船渡高を訪れ、佐々木朗希と面談を行った。「育成方針についてお話した」ということだが、これが1位指名につながるとは言いがたく、過去には早実の
清宮幸太郎(現
日本ハム)とも面談を行いながら、ドラフト会議での指名にはいたっていない。「当日に決める」という1位は、例年どおり事前情報が出てこないが、近年は大学卒投手を獲得することでチームの成績が安定しており、方針を変える必要はない。大学No.1右腕、森下暢仁(明大)が狙いだ。
巨人・近未来のスターでエース候補
第1回選択予想選手 佐々木朗希投手(大船渡高) 長谷川国利スカウト部長が早い段階から最上級の評価をしていた佐々木朗希(大船渡高)が大本命と言える。即戦力とはなり得ない体であることは百も承知だが、東北高時代の
ダルビッシュ有(現カブス)も故障がちでプロ入り後、体づくりに時間を割いた。対抗馬には奥川恭伸(星稜高)がおり、最終決断を下す
原辰徳監督も興味を示すが、佐々木が秘める潜在能力はドラフト候補では断トツで、スター性、将来性とも群を抜く。令和のジャイアンツを背負うにはこれ以上の素材はいない。
中日・未来のエース右腕が大本命
第1回選択予想選手 奥川恭伸投手(星稜高) 1位指名は奥川恭伸(星稜高)、佐々木朗希(大船渡高)、森下暢仁(明大)、河野竜生(JFE西日本)の4人に絞られたが、誰を指名するかはドラフト会議当日まで隠す方針。奥川に関しては昨年から徹底マークしており、最有力であることに変わりはないが、他球団の動向も探りながら、方向転換の可能性もある。基本的に地元重視が方針のため、即戦力右腕・
立野和明(東海理化)も候補。野手では右のスラッガー・
石川昂弥(東邦高)や、
紅林弘太郎(駿河総合)の名前が挙がる。
阪神・奥川が大本命だが佐々木も……
第1回選択予想選手 奥川恭伸投手(星稜高) 基本方針としては「公言する必要なし」というスタンスで、当日にならないと分からない。だが、将来性がありながら即戦力としても期待できる奥川恭伸(星稜高)を1位指名でいく可能性が非常に高い。しかし、直前で佐々木朗希(大船渡高)の指名の可能性が残されている。そのほかには将来の正捕手候補として
海野隆司(東海大)。同じく将来性を見込み、内野手の
森敬斗(桐蔭学園高)の上位指名もある。そのほかパワーサイドの
松岡洸希(BCL/埼玉)の上位指名があるかもしれない。
ヤクルト・競合覚悟で即戦力右腕を指名
第1回選択予想選手 森下暢仁投手(明大) チーム事情から、即戦力右腕が欲しいのは間違いないところ。就任したばかりの
高津臣吾監督も「投手が欲しい」と明言しており、クジ引きについても「挑戦したい」と意欲的だ。そうなると完成度の高い森下暢仁(明大)が第一候補となる。高校生で名前が挙がるのは西純矢(創志学園高)、左腕・
及川雅貴(横浜高)あたりか。当たりクジを外した場合には有力候補となるだろう。今年は投手中心の指名になると見られており、2位以下でも即戦力、素材型の投手を指名していくはずだ。
※情報は10月13日時点『週刊ベースボール』2019年10月28日号(10月16日発売)より