即戦力として期待される者や将来性が見込まれる者──。期待値こそ異なるが、高い評価を得ている要注目の逸材たちが“近未来のスター候補”として、今秋のドラフトを賑わす。

大船渡高・佐々木朗希 熱視線を浴びる“令和の怪物”

“令和の怪物”は、どこへ行く──。今ドラフト最大の注目が、高校生史上最速とされる163キロを計測した右腕だ。190センチの長身から繰り出す快速球は、プロの中でも群を抜く。「12球団OK」の姿勢を見せているだけに、指名する球団は少なくないだろう。甲子園見出場ながら競合確実とされる“超逸材”が、真の力を発揮するのは、どこの球団になるのか。来春キャンプ、さらにその先まで右腕に熱視線が注がれるのは間違いない。

明大・森下暢仁 抜きん出る即戦力度

　カーブ、チェンジアップと変化球でもカウントを整えられるなど完成度は高い。さらに最速は155キロと直球の威力も申し分なく、登板時に大崩れする心配は不要だろう。とある球団スカウトからは「即戦力は森下だけ」との声も上がるほど、今ドラフトで“即戦力度”は抜きん出る。先発投手の補強を急ぐ球団ほど獲得したい逸材だ。

星稜高・奥川恭伸 競合必至の甲子園準V右腕

　言わずと知れた今夏の甲子園準V右腕。最速154キロの球速だけでなく、コーナーに投げ分ける制球力も抜群で、スライダー、フォークで打者を惑わせる。U-18W杯カナダ戦で7回18Kの奪三振能力に、今夏の甲子園で延長14回を投げ抜いたタフさも光る。佐々木朗希、森下暢仁と形成する今ドラフト“BIG3”の一角として競合は必至。

東海理化・立野和明 最速152キロの“本格派”

　過去3年はいずれも補強選手として都市対抗に出場したことからも評価の高さが分かる。最速152キロの直球が武器の本格派右腕は、プロでも即先発ローテ入りの期待大だ。

東邦高・石川昂弥 希少な右のスラッガー

　希少価値が高まりつつある右の長距離砲とあって、上位で指名を検討する球団は少なくない。今春センバツでのV投手でもある高校ジャパンの主砲は、バット一本でプロの世界に挑む。

東芝・宮川哲 向こうっ気の強さも武器

　最速154キロの直球を武器に打者を圧倒。さらに向こうっ気の強い性格もプロ向きで、強打者を相手にしてもひるむことはない。NPBの舞台は力を発揮する最高の場となる。

創志学園高・西純矢 早期一軍デビューの期待大

　昨夏の甲子園で闘志むき出しの投球スタイルで注目された右腕も、昨秋は冷静さを欠いてセンバツ切符を逃した。バックを守る“野手の心”を学び、大人の階段を上る18歳は発展途上。球速も154キロまで伸ばし、さらなる進化の可能性も大いに秘めるが、4つの変化球を投じるなど完成度も高く、早期一軍デビューも期待できる。

JFE西日本・河野竜生 社会人トップの実力者

　鳴門高時代に3年連続で甲子園の土を踏んだ左腕は、高いレベルを求めて社会人に進むと、昨年の日本選手権で2試合連続完封と進化を証明。チームを準優勝に導いた投球は、最速151キロの直球にスローカーブ、スライダー、ツーシーム、チェンジアップを織り交ぜクレバーさも光る。社会人トップの実力者はプロでも即戦力の評価だ。

興南高・宮城大弥 投球術も光るサウスポー

　高校生とは思えぬ落ち着きも武器。最速149キロ左腕は打者との間合いを取ることにも長け、「ギアを上げる」と言われる状況に応じた投球も光る。将来性は抜群の18歳だ。

東海大・海野隆司 完成度はNo.1

　大学日本代表の正捕手を務め、今年の日米野球で優勝に導いた。打撃面でも昨春から3季連続でリーグ戦打率3割超を記録し、パンチ力も秘める。完成度が高い“即戦力捕手”。

桐蔭学園高・森敬斗 次代の5ツールプレーヤー

　攻守走に加え、ミート力、パンチ力を併せ持つ遊撃手。潜在能力の高さは高校日本代表でも生かされ、不慣れな中堅守備もこなした。数年後に球界を席巻する可能性も大いに秘める。

横浜高・及川雅貴 ポテンシャル高き左腕

　潜在能力は底知れない。最速154キロを誇る一方、変化球の球種は昨秋までスライダーのみながら今春のセンバツ切符を手に。その後、チェンジアップを習得と、まだノビシロは十分にある。