週刊ベースボールONLINE

2021ドラフト特集

12球団編成&スカウト布陣一覧&2021補強ポイント【セ・リーグ編】

 

いよいよ2021年のドラフト戦線が本格的に動き出す。チームの補強戦略&スカウティング活動を担う各球団の体制にはどんな変化はあったのか。今季の顔ぶれを確認することで、12球団のスカウト方針が見えてくる。
※表中、(新)は2021年新任、□は復帰。主な担当選手のポジションは入団当時


巨人・完全担当制を継続


 組織改編した昨年4月から導入している「完全担当制」を継続する。以前は有力選手について担当外のスカウトも視察する「クロスチェック制」を導入していたが、試合だけでなく練習なども視察可能な正担当がより正確な目で一人ひとりの選手を細部までチェックする。昨年までコーチだった木佐貫洋がスカウトに復帰し、高田誠水野雄仁を含めた現場経験者3氏の目も一つの武器となるだろう。2年目に入る榑松伸介部次長を中心に情報共有も強化し、より精度の高い情報を集めていく。

【2021補強ポイント】来オフもくる菅野移籍問題
 今季はチーム残留を決めたエース・菅野智之だが、順当ならば海外FA権を取得し、MLBへ再チャレンジが予想される。ここで再び持ち上がるのが先発ローテーション問題。ただ、昨年ほど1位候補の即戦力投手は見当たらず、将来性のある高校生が中心となるか。そう考えると、昨春にTJ手術をして1年をリハビリに充てる山崎伊織を、22年の“即戦力”と見立てて昨秋ドラフトで2位指名したこともうなずける。

■編成&スカウト一覧
氏名[担当地区]=主な担当選手
★榑松伸介
☆武田康[九州]=戸郷翔征(聖心ウルスラ学園高・投)
○高田誠[関東]
○水野雄仁
内田強[北関東]=山崎伊織(東海大・投)
渡辺政仁[関西、中国]=増田大輝(四国IL/徳島・内)
柏田貴史[北海道、東北]=高橋優貴(八戸学院大・投)
織田淳哉[東北、北信越]=太田龍(JR東日本・投)
□木佐貫洋[関東、東海]=直江大輔(松商学園高・投)
脇谷亮太[関東、九州]=平内龍太(亜大・投)
円谷英俊[関東、甲信越]=伊藤優輔(三菱パワー・投)
岸敬祐[関西、四国]=岡本大翔(米子東高・内)
友利結[海外]
(新)●長江翔太
★=編成本部アマスカウト統括兼スカウト部次長、☆=スカウト部課長チーフスカウト、○=スカウト部参与、●=編成本部海外スカウト担当

阪神・2人のスカウトが抜けても盤石


 1998年からスカウトとして活動し統括スカウトなどを歴任した佐野仙好氏が退団。さらに田中秀太氏が二軍コーチとなり、新たに前田忠節氏が加わるなど、新しい顔ぶれの中21年を迎えた。昨年は渡辺スカウトが担当する注目のスラッガー・佐藤輝明をクジで引き当てた。一昨年は高校生中心だったが、昨年は一軍キャンプに7人の新人が帯同するほど即戦力を多く獲得しており、臨機応変な対応ができるスカウト陣となっている。新スカウトの前田氏の手腕も見どころだ。

【2021補強ポイント】次世代のエース候補獲得へ
 高卒の井上広大小幡竜平、今季のドラフト1位、佐藤輝明など次世代を担う野手陣が充実を見せ始めている中、同じく西純矢及川雅貴などの高卒組のほかに、まだまだ次世代を担うエース候補が欲しいところ。一軍が若手レギュラーに切り替わりつつある今だからこそ、二軍ではさらなる育成を強めていく必要があるだろう。

■編成&スカウト一覧
氏名[担当地区]=主な担当選手
★谷本修
☆嶌村聡
※永吉和也
畑山俊二=藤浪晋太郎(大阪桐蔭高・投)
熊野輝光=榮枝裕貴(立命大・捕)
山本宣史=西純矢(創志学園高・投)
平塚克洋=大山悠輔(白鴎大・内)
葛西稔=馬場皐輔(仙台大・投)
田中秀太=梅野隆太郎(福岡大・捕)
吉野誠=高橋遥人(亜大・投)
筒井和也=湯浅京己(BCL/富山・投)
渡辺亮=佐藤輝明(近大・内)
(新)前田忠節
★=代表取締役副社長兼球団本部本部長、☆=取締役球団本部副本部長、※=球団本部次長(編成ディレクター)、◎=球団本部次長(統括スカウト)

中日・地元東海重視も全国チェック


 今年も松永幸男編成部部長と米村明アマスカウトチーフを中心としたスタッフで全国に目を光らせる。おヒザ元である東海、中部地区の逸材は逃さないというスカウト方針だが、すべては選手の力量次第。魅力あふれる逸材ならば徹底チェックし、上位候補に挙がるような有力選手は担当地区に関係なく臨機応変に動く。投手王国の確立は大きなテーマ。これまで東海地区担当を務めていた佐藤充氏はスコアラーに異動となった。

【2021補強ポイント】投手は将来のエース、野手は即戦力を!
 1月12日にスカウト会議を開いて200人以上をリストアップ。ドラフト1位候補に森木大智(高知高)、関戸康介(大阪桐蔭高)、小園健太(市和歌山高)の名が挙がり、4年連続で高校生1位指名の可能性も十分。広いバンテリンドームナゴヤで投手力の強化を推し進める。逆に野手陣は即戦力が求められている。俊足好打の選手よりも、一発が魅力のスラッガータイプを獲得したい。

■編成&スカウト一覧
氏名[担当地区]=主な担当選手
◎松永幸男
中田宗男
☆米村明=根尾昂(大阪桐蔭高・内)
八木智哉[北海道・東北]=石橋康太(関東一高・捕)
正津英志[関東]=京田陽太(日大・内)
小山良男[関東]=森博人(日体大・投)
清水昭信[東海]=石川昂弥(東邦高・内)
近藤真市[東海]=高橋宏斗(中京大中京高・投)
音重鎮[北信越]=大藏彰人(BCL/徳島・投)
山本将道[関西]=石垣雅海(酒田南・内)
野本圭[中四国]=福島章太(倉敷工・投)
三瀬幸司[九州]=福敬登(JR九州・投)
◎=編成部部長、★=アマスカウトアドバイザー、☆=アマスカウトチーフ

DeNA・吉田氏退任で新たな挑戦の年


 昨秋のドラフト会議を最後にスカウト部門のトップを長く務めた吉田孝司顧問兼球団代表補佐が退任。高田繁・元GMとの二人三脚で「ドラフト巧者のDeNA」を築き上げた慧眼が去り、球団にとっては新たな挑戦の年。河原隆一氏を中心とし、スカウトとして2年目を迎える吉見祐治中川大志の両氏ら顔ぶれに変わりがないのは、コロナ禍で活動が再び制限される可能性も考えると賢明な判断だ。フレッシュなメンバーで三浦新体制を支える。

【2021補強ポイント】高校生の指名に舵を切る可能性も
 近年のドラフトで確実な補強に成功しており、戦力のバランスは充実してきたといっていい。そのため、今秋のドラフトでは投手、野手ともに将来を見据えた有望高校生の指名が可能となった。唯一の気掛かりは手術明けの今永昇太東克樹や昨季不調だった山崎康晃ら投手陣か。今季のパフォーマンス次第では、大学生や社会人から即戦力投手の獲得が必須となる可能性もある。

■編成&スカウト一覧
氏名[担当地区]=主な担当選手
進藤達哉
☆河原隆一=牧秀悟(中大・内)
武居邦夫[独立リーグ]=今永昇太(駒大・投)
欠端光則[北海道・東北]=濱口遥大(神奈川大・投)
八馬幹典[北信越]=東克樹(立命大・投)
篠原貴行[九州]=浅田将汰(有明高・投)
稲嶺茂夫[関東]=森敬斗(桐蔭学園高・内)
吉見祐治[中国・四国]
安部建輝[近畿]=坂本裕哉(立命大・投)
中川大志[東海]=池谷蒼大(ヤマハ・投)
★=編成部部長、☆=編成部スカウティングディレクター

広島・前年と変わらず盤石の布陣


 このところ、森下暢仁栗林良吏と、2年連続で即戦力投手の「一本釣り」に成功している広島は、前年と同じ体制で2021年に臨む。現在、主軸を務める鈴木誠也に代表されるように、ドラフト時点の知名度にとらわれず、特に足と肩に光るもののある選手をピックアップ。さらには練習や試合での態度などもしっかりと観察し、プロの世界でのちのち成長をしてくれるであろうマインドを持った選手を選び出す手腕には定評のある、自信のスカウト陣だ。

【2021補強ポイント】最大テーマは長距離砲だが……
 状況的には、昨年のドラフトでも積み残しとなった、「鈴木誠也に続く長距離砲候補」が最大のテーマだ。ところが、ドラフト市場の様相はどうやら投手中心の年になりそうで、チーム事情と実際の指名をどうすり合わせていくかが難しいところ。捕手と内野手は、20歳前後の年齢層は割合に充実しており、投手の指名を進めながら、チャンスがあれば1人か2人、長距離砲候補を狙うような戦略か。

■編成&スカウト一覧
氏名[担当地区]=主な担当選手
苑田聡彦=會澤翼(水戸短大付高・捕)
白武佳久[中国・四国]=中村奨成(広陵高・捕)
近藤芳久[北海道・東北]=大道温貴(八戸学院大・投)
高山健一[関東・北信越・中部]=玉村昇悟(丹生高・投)
田村恵[全国]=大瀬良大地(九州共立大・投)
松本有史[関東・東海]=菊池涼介(中京学院大・内)
尾形佳紀[関東]=森下暢仁(明大・投)
鞘師智也[近畿]=小園海斗(報徳学園高・内)
末永真史[九州]=島内颯太郎(九州共立大・投)
★=スカウト統括部長、☆=スカウト部長

ヤクルト・経験豊かな2人が加わる


 昨年までファームディレクター補佐兼広報を務め、ヤクルトジュニアの監督として大会2連覇に導いた度会博文氏と、長年スコアラーとしてプロ選手を分析してきた押尾健一氏が加わった。当然、プロで活躍できる選手を獲得するため、経験を生かした視点でアマチュア選手の素質を見極めることが求められる。小川淳司GMの下、チームの編成方針、獲得方針はしっかり確立している。スカウト同士の“ダブルチェック”も行い、逸材を発掘する。

【2021補強ポイント】もちろん投手中心即戦力か素材型か
 19年ドラフトでは奥川恭伸の獲得に成功したが、“エース”と呼べる活躍を見せているのは、ここ数年で小川泰弘だけ。将来的に先発の柱となるような投手は是が非でも獲得したく、高知高・森木大智や報徳学園高・小園健太といった、力のある高校生投手がすでに上位指名候補に挙がっている。とはいえ、現在の投手陣から考えれば、早大の徳山壮磨ら即戦力となる選手も捨てがたい。

■編成&スカウト一覧
氏名[担当地区]=主な担当選手
◎小川淳司
伊東昭光
★橿渕聡=中山翔太(法大・外)
中西親志=中尾輝(名古屋経大・投)
松田慎司=村上宗隆(九州学院高・内)
(新)押尾健一
(新)度会博文
斉藤宜之=小川泰弘(創価大・投)
丸山泰嗣=清水昇(国学院大・投)
阿部健太=奥川恭伸(星稜高・投)
◎はゼネラルマネージャー、☆は編成部部長兼編成グループチーフ、★はスカウトグループ次長デスク、◇はスカウトグループ次長、◆はスカウトグループ課長

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング