年俸ランキングに続いて、いくつかテーマを絞って考察してみよう。いろいろな切り口から見てみると、お金ってやっぱり面白い! ※データはすべて1月22日時点のもの 新外国人トップはJ.スモーク[巨人]。年俸に見合った活躍を見せることができるか!?
[PART1]ポジション別トップ10
長期・大型契約も主流に 捕手を除き、上位者の金額に大きなバラつきはないものの、内野手、外野手は複数年契約を結んでいるケースも多く、投手陣に比べると大きな増額は見られない。近年では長期の大型契約で「生涯○○」を宣言する選手も増えてきており、柳田は2019年オフから、山田哲は今オフから7年契約を締結している。
捕手陣は昨季、森が不振にあえいだこともあって2億円超えがゼロに。年々金額を上積みしている甲斐が、今後どこまで昇給できるか。
捕手はトップの會澤[広島]でも1億8000万円。ほかのポジションに比べると評価は厳しい
【投手/トップ10】 順位 氏名 所属 2021年俸 増減 2020年俸 1
菅野智之 (巨) 80000
▲ 65000
2 D.
サファテ (ソ) 70000 ± 70000
3
森唯斗 (ソ) 46000 ± 46000
4
千賀滉大 (ソ) 40000
▲ 30000
5 A.
サンチェス (巨) 34000 ± 34000
6
増田達至 (西) 30000
▲ 19000
6
大野雄大 (中) 30000
▲ 13000
6
則本昂大 (楽) 30000 ± 30000
9
山崎康晃 (デ) 28000
▼ 35000
10
スアレス (神) 25750
▲ 8000
【捕手/トップ10】 1
會澤翼 (広) 18000 ± 18000
2
甲斐拓也 (ソ) 16500
▲ 11000
3
森友哉 (西) 16000
▼ 20000
4
炭谷銀仁朗 (巨) 15000 ± 15000
5
伊藤光 (デ) 11000 ± 11000
5
梅野隆太郎 (神) 11000
▲ 10000
7
小林誠司 (巨) 10000 ± 10000
8
中村悠平 (ヤ) 9000 ± 9000
9
大野奨太 (中) 7450 ± 7450
10
田村龍弘 (ロ) 7000 ± 7000
【内野手/トップ10】 1
坂本勇人 (巨) 50000 ± 50000
1
山田哲人 (ヤ) 50000 ± 50000
1
浅村栄斗 (楽) 50000 ± 50000
4
松田宣浩 (ソ) 45000 ± 45000
5
ビシエド (中) 35000 ± 35000
6
中田翔 (日) 34000
▲ 29000
7 J.スモーク (巨) 31000
8
菊池涼介 (広) 30000 ± 30000
8 Y.
グラシアル (ソ) 30000 ± 30000
10
今宮健太 (ソ) 29000 ± 29000
【外野手/トップ10】 1
柳田悠岐 (ソ) 61000
▲ 57000
2 W.
バレンティン (ソ) 50000 ± 50000
3
丸佳浩 (巨) 45000 ± 45000
4
ジョーンズ (オ) 44000 ± 44000
5 A.
デスパイネ (ソ) 40000 ± 40000
6
青木宣親 (ヤ) 33000
▼ 34000
7
鈴木誠也 (広) 31000
▲ 28000
8
陽岱鋼 (巨) 30000 ± 30000
9
吉田正尚 (オ) 28000
▲ 20000
10
ロハス・ジュニア (神) 25750
[PART2]年代別トップ10
ソフトバンク・松田をはじめ、36歳オーバーでもレギュラーを張る選手はやはり高額
脂が乗っている30代前半 NPB歴代最高年俸となった菅野、日本人野手最高年俸の柳田ら各球団を背負って立つ選手の多くが31〜35歳とあって、上位14人が3億円を超える。外国人選手の中には、MLBで実績を上げた選手が日本でもうひと花咲かせよう来日するケースも。
チーム事情はあるものの、高卒入団後3年以内に定位置を確保することができれば20歳前半での大台も決して夢ではない。だが、彼らの場合は以降も地位をキープできるかが重要になってくる。
【〜25歳/トップ10】 順位 氏名 所属 位置 2020満年齢 2021年俸 1
松井裕樹 (楽) 投 25 25000
2
岡本和真 (巨) 内 24 21000
3 森友哉 (西) 捕 25 16000
4 L.
モイネロ (ソ) 投 25 15000
4
山本由伸 (オ) 投 22 15000
6 C.
スチュワートJr. (ソ) 投 21 11000
7
山岡泰輔 (オ) 投 25 10000
7
村上宗隆 (ヤ) 内 20 10000
9
田口麗斗 (巨) 投 25 7000
10
高橋礼 (ソ) 投 25 6750
【26〜30歳/トップ10】 1 浅村栄斗 (楽) 内 30 50000
1 山田哲人 (ヤ) 内 28 50000
3 森唯斗 (ソ) 投 28 46000
4 千賀滉大 (ソ) 投 27 40000
5 鈴木誠也 (広) 外 26 31000
6 則本昂大 (楽) 投 30 30000
6 菊池涼介 (広) 内 30 30000
8 今宮健太 (ソ) 内 29 29000
9 山崎康晃 (デ) 投 28 28000
9 吉田正尚 (オ) 外 27 28000
【31〜35歳/トップ10】 1 菅野智之 (巨) 投 31 80000
2 柳田悠岐 (ソ) 外 32 61000
3 坂本勇人 (巨) 内 32 50000
4 丸佳浩 (巨) 外 31 45000
5 ジョーンズ (オ) 外 35 44000
6 A.デスパイネ (ソ) 外 34 40000
7 ビシエド (中) 内 31 35000
8 A.サンチェス (巨) 投 31 34000
8 中田翔 (日) 内 31 34000
10 J.スモーク (巨) 内 34 31000
【36歳〜/トップ10】 1 D.サファテ (ソ) 投 39 70000
2 W.バレンティン (ソ) 外 36 50000
3 松田宣浩 (ソ) 内 37 45000
4 青木宣親 (ヤ) 外 38 33000
5
岸孝之 (楽) 投 36 25000
6
中村剛也 (西) 内 37 22000
7
増井浩俊 (オ) 投 36 20000
8
糸井嘉男 (神) 外 39 18500
9
栗山巧 (西) 外 37 17000
10
長野久義 (広) 外 36 16500
[PART3]コスパでベストナインを選んでみた!
【今回のルール】
規定投球回、規定打席到達者の中から選出(※ただし、セ・リーグ捕手は規定打席到達者不在のため、規定試合数(チーム試合数×1/2)到達者から選出)
コスパの算定方法は、投手は「年俸÷イニング」、野手は「年俸÷塁打」(※塁打とは、安打、二塁打、三塁打、本塁打で打者が踏んだベースの数を合計したもの。安打=1、二塁打=2、三塁打=3、本塁打=4で計算する) [パ・リーグ]バランス◎、コスパ◎の内野 ポジション/氏名/所属/1塁打(投手は1イニング)当たりの金額 (投)
田嶋大樹(B) 34.3万円
(捕) 森友哉(L) 117.6万円
(一)
井上晴哉(M) 35.1万円
(二)
渡邉諒(F) 35.3万円
(三)
安田尚憲(M) 17.5万円
(遊)
小深田大翔(E) 22.9万円
(左)
スパンジェンバーグ(L) 40.8万円
(中)
島内宏明(E) 75.5万円
(右)
栗原陵矢(H) 23.8万円
(指)
T-岡田(B) 56.7万円
本家のベストナインとはガラリと様相が変わった。コスパのいい選手が固まったのが内野陣だ。規定打席到達者をコスパ順に並べたトップ5内選手で内野を網羅。しかもそれぞれを適性ポジションに入れ込むことができた。4人合計でも110.8万円と、最もコスパの悪かったソフトバンク・松田宣浩(1塁打当たり298万円)の半額以下だ。
悩みどころだったのが、中堅と捕手。外野手では
ロメロ(
楽天→
オリックス)が67.7万円、
大田泰示(
日本ハム)が70.3万円だったが、適性を加味して島内に。捕手は栗原を右翼で選出したため、森。ほかに規定打席到達者がいないこともあるが、各球団の主力捕手を見ても攻撃面に関しては全体的にコスパは悪い。
[セ・リーグ]タイトル獲得者目白押し (投)
森下暢仁(C) 35.1万円
(捕)
木下拓哉(D) 23.8万円
(一) 村上宗隆(S) 40.3万円
(二)
阿部寿樹(D) 26.2万円
(三)
堂林翔太(C) 20.6万円
(遊)
吉川尚輝(G) 23.4万円
(左)
佐野恵太(De) 32.7万円
(中)
近本光司(T) 38.1万円
(右)
梶谷隆幸(G) 32.5万円
村上、佐野が本家だけでなく、コスパでもベストナイン入り。そのほか、新人王・森下、盗塁王・近本と豪華なメンバーがそろった。セ・リーグは捕手の規定打席到達者がおらず規定試合到達者から選出することとなったが、その木下拓を除いても、ベストナイン最高額は村上の40.3万円。規定打席到達者のコスパ上位7人で全ポジションをバランス良く配置することができたため、パ・リーグと比べるとかなり”リーズナブル”だ。
逆にセ・リーグで最もコスパが悪かったのが、山田哲人。昨季は不調に悩まされ、1塁打当たり357.1万円という結果に。とはいえ、トリプルスリーを3度達成した実力者。新たに大型契約を結んだ球団へ、恩返しの活躍を見せてくれるに違いない。
[PART4]球団別1億超えプレーヤー事情
入団3年目、20歳で1億円プレーヤーの仲間入りを果たした村上[ヤクルト]
ヤクルトは既存選手が大幅アップ やはりと言うべきか、日本一球団・ソフトバンクは16人が1億円超え。しかも半分が3億円以上と、ここでも他球団を圧倒する。とはいえ、新規(新たに1億円以上の選手)は新助っ人のレイのみだ。
新規では
阪神とヤクルトがそれぞれ人数を増やした。特にヤクルトは4人のうち既存選手が3人。FA権行使も残留を決めた
小川泰弘が9000万円→1億8750万円で、若き四番・村上宗隆が4500万円→1億円に。村上は球団最年少での大台到達となった。
[PART5]球団別外国人選手事情
外国人最高額のサファテ[ソフトバンク]だが、過去2年一軍登板なしで、このまま引退も……
補強は巨人、阪神が5億円超 こちらもソフトバンクがダントツ。12球団最少額だった日本ハムの約6倍となっている。外国人選手最高額のサファテの7億円を筆頭に既存5選手全員が1億円超えとあって、彼らだけでも総額21億6000万円だ。ただ、5選手とも新年俸に関しては未更改のため、これ以上の額になる可能性も。在籍人数10人と12球団トップの
DeNAは、育成選手が5人とあって総額自体は“控えめ”となっている。
新加入選手は個人で見ると巨人のJ.スモークが3億1000万円でトップだが、総額となると3選手全員が2億円超えの阪神がトップに。ただ、巨人にしても、阪神にしても、新外国人、特に野手陣がなかなか思った活躍を見せてくれないのが悩み。今年はどうなるか。