週刊ベースボールONLINE

DATA BOX

2013年の楽天・田中将大 無双の1年の再現なるか!

 

まさに伝説の1年だった。20勝すら希有となった21世紀のプロ野球で24勝、しかも無敗と勝ちまくり、楽天を初のリーグ優勝、さらには日本一に導いた。

28試合登板 24勝無敗 防御率1.27


圧巻の危機回避能力


 この年、24勝0敗、防御率1.27で最多勝、最優秀防御率を獲得。パ・リーグでリーグ2位の勝ち星は、いずれも15勝8敗だった金子千尋(現・金子弌大、当時オリックス、現日本ハム)、攝津正(ソフトバンク)、則本昂大(楽天)、防御率2位は2.01の金子。いかに田中将大が異次元のピッチングをしていたかが分かる。ただし、2年前の11年にも19勝5敗、防御率1.27で最多勝、最優秀防御率に輝いており、“覚醒”という表現は適切ではないかもしれない。


 表2のように、当たり前ながら球団別でも負け知らずで、防御率はすべて1点台以下。特に前年2012年のリーグ王者ながら、この年、最下位に甘んじた日本ハムを8勝0敗と完全にカモにした(対日本ハムは通算でも23勝6敗)。球団別通算で唯一、田中将が負け越しているのは西武で7勝13敗、防御率3.86。12年までは5勝13敗だったことになる。


 負けない理由は規定投球回では最少の35四死球(212イニング)の制球力に加え、ここぞのときのギアチェンジにもある。被本塁打6、犠飛1はいずれも規定投球回到達者で最少(犠飛は攝津とタイ)、得点圏では被安打・160で、被本塁打は0。特に走者が三塁の場合(三塁、一、三塁、二、三塁、満塁)の場合、74打数9安打で被打率.122となっている。被本塁打はアブレイユ(当時日本ハム)の2本が最多で1本が鈴木大地(当時ロッテ、現楽天)、井口資仁(当時ロッテ)、トニ・ブランコ(当時DeNA)、長野久義(当時巨人、現広島)。2ラン1本のほかすべてソロだ。

 対戦打者のデータは、8年前とあって、すでに引退している選手も多いが、主だった現役選手を別表にしてみた。柳田悠岐中村晃のソフトバンク勢はおそらく苦手意識を持っておらず、今季の対戦も火花散るものになるはずだ。


 田中将も32歳となり、メジャーで投球スタイルも変化している。攻略のための一番のポイントは、「田中将大」というブランドに負けないことかもしれない。

PROFILE
たなか・まさひろ●1988年11月1日生まれ。右投右打。身長188cm、体重93kg、駒大苫小牧高から高校生ドラフト1巡目で2007年楽天入団。1年目から11勝を挙げ、新人王に。11、13年最多勝&最優秀防御率、さらに沢村賞。13年は優勝、日本一に貢献し、MVPにもなっている。14年ヤンキースに移籍し、1年目から6年連続2ケタ勝利。NPB通算175試合登板、99勝35敗3セーブ、防御率2.30、MLB通算174試合登板、78勝46敗0セーブ、防御率3.74

関連情報

みんなのコメント

  • 新着順
  • いいね順

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング