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12球団後半戦大展望 何かが起こる?何かを起こす!

阪神・佐藤輝明 さらなる進化を目指す“怪物”/後半戦は俺たちに任せろ!

 

ここからは残り60試合前後の後半戦での12球団のキーマンを選び紹介していく。
※年齢は満年齢。成績はシーズン前半戦

グリップの握りを変えるなど試行錯誤し、後半戦で打撃力を進化させチームの優勝に貢献していきたい[写真=早浪章弘]


外野手/27歳/84試合、打率.267、20本塁打、52打点、5盗塁

 7月は本塁打わずか1本の不振で、シーズン中断期間に入った。各月約20試合で約6本塁打を刻んできた黄金ルーキーの佐藤輝明。7月は13試合で1本。相手チームからのマークが徹底され、新人ならではの疲れがあったのも否めない。

 それでも前半戦では、四番も務めるなど20本塁打&52打点でチーム2冠。首位ターンの原動力になった。しかし、それでも満足していないのが佐藤輝らしい。「もう少しできたんじゃないか、という思いはありました」と前半戦を振り返った。

 三振の数を気にしないことはないが、もちろん少ないほうがいい。そこで東京五輪の中断期間に、グリップの握りを変えた。「より確率よくとらえるために必要じゃないかと思って、試しています」。主に左手の握りを変えた。それまでは親指+3本の指でバットを握っていたが、小指でもバットを握るようにしたのだ。

 その成果はエキシビションマッチですぐに出た。7月中の5試合で5本塁打の成績を残したのだ。そのほとんどが軽くバットを振ったようなスイング。「軽く振っていき、バットに当たる確率が増えていくといいかなと思います。それでもフルスイングはしていきたいです」と語る。

 疲れに関しても、この期間にしっかりと休み、練習とトレーニングに取り組んだ。オールスターで各チームのスター選手と交流し、さまざまな質問を投げ掛けた。その答えを持って後半戦でもう一度、あのセンセーショナルな活躍を見せていく。

 エキシビションマッチでは、豪快な打撃を見せつつも10打席連続凡退も記録し、まだまだ発展途上にあることを痛感した。「ルーキーだけどオレたちが求めているモノはもう少し上だから、確実性も出てきたら……」と矢野燿大監督の期待は大きい。

 今季の打線は、サンズジェフリー・マルテの助っ人コンビが佐藤輝を盛り立てる。そして四番・大山悠輔が、プレッシャーを吸収し、佐藤輝が打ちやすい環境を整えている。その中で、佐藤輝のバッティングに確実性が加われば、前半戦以上の破壊力を持つ打線となり、16年ぶりの歓喜を味わうことができるはずだ。

 新人にその責任を負わせるのは厳しいかもしれないが、それができるだけの資質は十分に持ち合わせている。佐藤輝の打撃進化が、優勝のカギを握っていると言っても過言ではない。

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