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12球団後半戦大展望 何かが起こる?何かを起こす!

オリックス・宮城大弥 用意周到に突き進む/後半戦は俺たちに任せろ!

 

ここからは残り60試合前後の後半戦での12球団のキーマンを選び紹介していく。
※年齢は満年齢。成績はシーズン前半戦

オリックス宮城大弥[写真=湯浅芳昭]


投手/19歳/14試合登板、9勝1敗、防御率2.10

 適応力はフォームに表れる。「単純にカッコいいなと思って始めただけなんですけど」と二段モーションを採り入れた理由を話すも、開幕から徐々に右足の上下動が、ゆっくり、そして大きくなっている。

「自分では意識はしてはいないんです。高山さん(高山郁夫投手コーチ)にも言われて気が付いたので。二段モーションは足を上げてからバッターを見れるのが良いところ。だから、バッターを見るという意識から、フォームが少し変わったんだと思います」

 最速151キロの直球に、打ち気の打者をあざ笑うかのようなカーブは、110キロ台と90キロ台の2種類。さらにスリークオーターの独特の角度から投じるスライダー、そしてブレーキの利いたチェンジアップで空振りを奪う。咄嗟にボールの握りを変えて投じる球種を変えることもある変幻自在の投球は、打者を観察する目が成せる業だ。

「今までにいないような投手になりたい」と話す左腕は、防御率2.10と抜群の安定感でチームの首位ターンの立役者となった。

 ただ、シーズンはまだ半分残る。開幕前から一軍完走を目標に掲げていた左腕は、初出場となった球宴で一流投手たちに助言を求めた。中でもコンディショニングの面。屋外球場を本拠地とする楽天則本昂大に暑さ対策を問うと、返ってきたのは「夏バテしないように汗をかくこと」。すぐに実行に移し、五輪中断期間の大阪・舞洲の球団施設での練習は、ウインドブレーカーを身にまとって炎天下で体を動かした。

 実戦も京セラドームでのエキシビションマッチの登板は1試合のみで、中断期間最初の登板は7月30日の屋外球場・鳴尾浜でのウエスタン・阪神戦。4回を投げて3失点を喫するも大事なのは結果よりも内容だ。「ボールが高かったり、中に入ったりと、いつもどおりの打たれ方をしてしまった。修正していかないと」。マウンドには長袖のアンダーシャツで上がるなど、後半戦へ向けて準備に抜かりはない。

 前半戦に挙げた勝利数はチームのエース・山本由伸と並ぶリーグトップの9。左右の二本柱の確立が今季の最大連敗を4にとどめている一因だ。5位・西武まで6.5ゲーム差と混戦のパ・リーグにあって1つの勝敗がより大きな意味を持つ後半戦。エース・山本は五輪でも腕を振っただけに、休養十分かつ用意周到の左腕の奮闘は欠かせない。19歳が25年ぶりの優勝を手繰り寄せる。

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