週刊ベースボールONLINE

HOT TOPIC

日本人唯一のワールドシリーズ勝利投手 松坂大輔のポストシーズンを振り返る

 

 現在、ポストシーズンの熱い戦いが繰り広げられているメジャーリーグ。日本人選手が所属するチームでは澤村拓一のいるレッドソックスが出場しているが、これまでにも多くの日本人選手たちが世界一を目指して戦ってきた。その中から今回は、現役生活に幕を下ろした平成の怪物・松坂大輔のポストシーズンを振り返る。

レッドソックス時代の松坂大輔


日本人初のワールドシリーズ勝利で世界一に輝く


 10月19日、西武・松坂大輔が現役最後のマウンドに上がった。背番号は現在の「16」ではなく、プロ生活をスタートさせた当時の西武、メジャーで6シーズン所属したレッドソックスなどで背負った「18」を特別に着用。多くのファンが見守る中で、平成の怪物が最後の雄姿を披露した。

 日米通算170勝。怪物ルーキーとして高卒1年目から最多勝を獲得し、西武の大エースとして君臨した日本時代に比べるとメジャーでの勝ち星は少ないが、それでも8年間で通算56勝。そのうち33勝はレッドソックスでのメジャー1年目と2年目にマークしており、この2シーズンはポストシーズンでも輝きを放った。

 メジャー1年目の2007年、レッドソックスはヤンキースを抑えて12年ぶりの地区優勝。ルーキーながら15勝を挙げて優勝に貢献した松坂は、ポストシーズンでも先発の一枚としてチームの躍進を支えた。初登板となったエンゼルスとの地区シリーズ第2戦、続くインディアンスとのリーグ優勝決定シリーズ第3戦では勝利ならず。しかし、ポストシーズン3試合目の登板となったリーグ優勝決定シリーズ第7戦では5回2失点で勝利投手となり、レッドソックスを3年ぶりのワールドシリーズに導いた。

 ロッキーズと対戦したワールドシリーズでは、2連勝で迎えた第3戦で先発。5回1/3を投げて2失点、打っても自ら2点適時打を放つおまけ付きで日本人投手初となるワールドシリーズの勝利投手となった。チームは続く第4戦にも勝利して3年ぶりのワールドシリーズ優勝。2006年の第1回WBCの優勝メンバーであった松坂は、これによりワールドシリーズとWBCの両方で優勝を経験した史上初の選手となった。

 レギュラーシーズンで18勝をマークした2年目の2008年も、チームはワイルドカードでポストシーズン進出。松坂はエンゼルスとの地区シリーズ第2戦で先発したが、5回3失点の内容で勝敗はつかず。レイズとのリーグ優勝決定シリーズ第1戦では7回0/3を無失点の好投で勝利投手となったが、同第5戦では4回0/3を5失点で降板。チームは第7戦を落として2年連続のワールドシリーズ進出はならなかった。

 メジャー3年目からケガに悩まされるようになった松坂は、2009年以降はポストシーズンでの登板はなし。しかし、ポストシーズンでの勝利、ワールドシリーズでの先発、勝利はいずれも松坂が日本人投手初。ワールドシリーズでの勝利投手については現在のところ、松坂以降はひとりも現れていない。

関連情報

みんなのコメント

  • 新着順
  • いいね順

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング