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2022ドラフト特集

重視するのは「即戦力」か?「将来性」か? 1位指名選手は誰だ?【パ・リーグ編】

 

10月20日、運命のドラフト会議は約1カ月後に迫った。ここから各球団は最終調整に入り、意中の1人を決める。12球団の今季のドライチを各球団担当が予想する。
※年齢は2022年満年齢。

オリックス・求む強打の外野or二塁手即戦力野手で打線強化を


【本命】蛭間拓哉(早大)
【対抗】山田健太(立大)

[左]蛭間拓哉・外野手/早大/22歳 [右]山田健太・内野手/立大/22歳


 直近3年の1位指名は投手が続き、今季は開幕直後に打線が低調で苦戦を強いられただけに、即戦力野手の1位指名も十分にあるだろう。吉田正尚が来季で30歳、杉本裕太郎が32歳、さらにT-岡田も35歳と次代の中軸候補の台頭が待たれるところ。外野手は俊足巧打タイプが複数いるだけに蛭間拓哉(早大)の指名に踏み切っても不思議ではない。とはいえ、来田涼斗ら期待の若手もいるだけに、助っ人補強で育成を続けていく可能性もある。

 となれば内野手、特に安達了一の後継者探しが続く二塁だ。そのポジションに加え、打力を踏まえると筆頭候補は山田健太(立大)の名が挙がる。攻撃型二塁手を加えて、紅林弘太郎との強打の二遊間は魅力的。投手陣の層は厚く、年齢層も低いため、今ドラフトは即戦力の野手の方針となる可能性は高い。(AT)

ロッテ・逸材そろいの遊撃手。二遊間強化で骨格づくり


【本命】田中幹也(亜大)
【対抗】友杉篤輝(天理大)

[左]田中幹也・内野手/亜大/22歳 [右]友杉篤輝・内野手/天理大/22歳


 佐々木朗希を筆頭に投手陣の年齢層は若くコマもそろう。野手も山口航輝安田尚憲が気を吐き、チームの骨格ができつつあるが、埋めたいのが二遊間だ。藤岡裕大の故障で今季は流動的だった遊撃を固定できれば戦力は向上するとあって、堅守かつ俊足巧打が光る田中幹也(亜大)、友杉篤輝(天理大)を指名する可能性も十分。

 将来性を重視して金田優太(浦和学院高)や外野手ではあるが浅野翔吾(高松商高)らの高校生を指名する可能性もゼロではない。ただ、ファームでも西川僚祐山本大斗ら強打者たちが本塁打を量産と着実に力をつけているとあって即戦力を優先する可能性が高いはず。正二塁手・中村奨吾がFA権を取得したこともあり、二遊間の層を厚くさせたい。(TA)

楽天・今年も右の強打者に熱視線。投手なら即戦力右腕狙いか


【本命】浅野翔吾(高松商高)
【対抗】吉野光樹(トヨタ自動車)

[左]浅野翔吾・外野手/高松商高/18歳 [右]吉野光樹・投手/トヨタ自動車/24歳


 昨年は上位3人までが野手で、うち2人が右打ちの外野手だった。それでも、引き続き右の大砲を狙う可能性がある。注目するのは高校通算68本塁打の浅野翔吾(高松商高)で、今夏の甲子園では一番打者として1大会3本塁打を放ったスラッガー。石井一久GM兼任監督は上位指名候補リストに入っていることを明言しており、「パンチはありますよね。小柄なタイプだけどスイングも大きくて、いい打者だと思う」と高評価。

 ただ、バランスを考えれば投手優先が現実的だろう。実績がありながら結果の伴わない投手陣には、新しい血を入れることが不可欠だ。即戦力右腕では完成度の高さが評価されている吉野光樹(トヨタ自動車)、左腕では曽谷龍平(白鴎大)らの名前も挙がる。(YO)

ソフトバンク・甲子園を沸かせた逸材スラッガーで決まりか!?


【本命】浅野翔吾(高松商高)
【対抗】曽谷龍平(白鴎大)

[左]浅野翔吾・外野手/高松商高/18歳 [右]曽谷龍平・投手/白鴎大/22歳


 甲子園を経て評価を上げたのが浅野翔吾(高松商高)だった。大会後に永井智浩球団統括本部編成育成本部長兼スカウト部部長は「素材として魅力があり過ぎる」とコメント。選手層の厚さを考えると将来性重視で高校生の1位指名の可能性は高く、その点では最大級の評価と言っていいだろう。パワフルな打撃はもちろんのこと、永井編成育成本部長は「甲子園全体が引きつけられた」と“スター性”にも着目する。

 ただ、状況次第で即戦力を意識すべきなのは投手に関して。千賀滉大が海外FA権を取得してメジャー移籍となると、エースの穴を埋める必要が出てくる。右左は問わないものの、チームにとって手薄な左腕、高いゲームメーク能力という点で、今春のリーグ戦でノーヒットノーランを達成した曽谷龍平(白鴎大)は魅力的と言える。(R)

日本ハム・No.1狙う方針に変わりなし。高校生も複数が候補に


【本命】浅野翔吾(高松商高)
【対抗】矢澤宏太(日体大)

[左]浅野翔吾・外野手/高松商高/18歳 [右]矢澤宏太・投手&外野手/日体大/22歳


 その年のNo.1に狙いを定める方針に変わりはない。8月26日のスカウト会議では前回同様に1位候補は12人がリストアップされたが、大学生中心だった前回とは変わり浅野翔吾(高松商高)、山田陽翔(近江高)をはじめ複数の高校生が名を連ねているようだ。大渕隆GM補佐兼スカウト部長は浅野について「すごいのは分かっていたが、大舞台でもやるのはすごい」と高評価。一方、BIGBOSSは「矢澤君かな、僕の考えでは野手」と「外野手」として矢澤宏太(日体大)の名前を挙げている。

 BIGBOSSが興味を示している加藤豪将(メッツ傘下3A)については、さすがに1位指名ということはないだろうが、稲葉篤紀GMは「どうしようかという話し合いにはなっている」と継続的に注視していくことを明かしている。(TS)

西武・確固たるレギュラー不在。狙いは強打の外野手か


【本命】蛭間拓哉(早大)
【対抗】内藤鵬(日本航空石川高)

[左]蛭間拓哉・外野手/早大/22歳 [右]内藤鵬・内野手/日本航空石川高/18歳


 昨年のドラフトで大学屈指の左腕・隅田知一郎佐藤隼輔を1、2位で獲得。さらに今季は4年連続リーグワーストの防御率だった投手陣が同1位へと躍進を果たし、優勝争いを繰り広げている。投手陣に目途がついただけに、今季のドラフトでは“野手偏重”になるのではないか。特に補強したいのは外野手だろう。確固たるレギュラーは不在なだけに東京六大学通算12本塁打の強打を誇る蛭間拓哉(早大)、さらに夏の甲子園で3本塁打を放ったスラッガー・浅野翔吾(高松商高)らに1位で狙いを定めたいところだ。

 渡部健人ブランドンが伸び悩みいまだに39歳の大ベテラン・中村剛也が守ることの多い三塁も穴。体重100キロの巨漢大砲・内藤鵬(日本航空石川高)も視野に入ってくるかもしれない。(MK)

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