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ドラフト最前線2022-2023

2022ドラフト直前情報「運命の糸」はどうつながる? 競合はどこまで増えるか?

 

10月20日に東京都内で開催される「プロ野球ドラフト会議supported by リポビタンD」。「運命の日」を前にして、12球団は最後の最後まで情報戦を続けた。1位指名は誰になるのか? また、サプライズはあるのか? 直前情報を交えながら、今ドラフトの見どころに迫っていこう。
写真=山田次郎、BBM ※記事内容は10月14日現在
※10月18日に楽天荘司康誠(立大)の1位指名を公表

高松商高のスラッガー・浅野翔吾が色紙にしたためたのは好きな言葉である『獅子奮迅』。「グラウンドの中でライオンのようなオーラを出しながらプレーしたい」と語るガッツマンだ


各球団の思惑とは?


 指名候補選手にとって“運命の日”となる10月20日のドラフト会議を前に、事前公表が相次いだ。本番まで1週間を切った10月14日までに、実に6球団が指名する選手名を明かしている。

 近年、このようなケースがあったのが2018年。ヤクルト巨人中日根尾昂(大阪桐蔭高)、ソフトバンクオリックス小園海斗(報徳学園高)、ロッテ藤原恭大(大阪桐蔭高)の指名を事前公表。ただし、これらの3人は同年の超目玉と目されており、指名が重複するのは確実と見られていた。実際に根尾には日本ハムも加わり4球団、小園にはDeNA広島が加わり4球団、藤原には楽天、阪神が加わり3球団が入札。その結果、中日が根尾、広島が小園、ロッテが藤原との交渉権を獲得した。

 だが、今年はそれと異なる事情があるようだ。例年に比べて目玉と呼べる選手が限られているため、競合に敗れた場合に大きなダメージを負うことになる。あえて指名選手を公表することで、公表していない球団へのけん制的意味合いも含まれているようだ。ただし、事前公表を受けてほかの球団が指名選手を変更することも考えにくい。結果的に一人の選手に指名が集中することも十分にあり得るだろう。

 それでは、指名を公表した球団が選手をどう評価しているのかを見ていこう。

巨人公表◎浅野翔吾[高松商高/外野手/171cm87kg/右両]


 9月28日、いの一番に右のスラッガー・浅野翔吾(高松商高)の名前を挙げたのは巨人だった。水野雄仁編成副本部長兼スカウト部長は「将来性もそうだけど、早いうちにも出られるんじゃないかという期待感もある。右の吉田正尚(オリックス)になる」と期待感をにじませた。

ソフトバンク公表◎イヒネ・イツア[誉高/内野手/184cm83kg/右左]


 10月10日にはソフトバンクがナイジェリア人の両親を持つ左打ちの遊撃手・イヒネ・イツア(誉高)を1位で入札することを明かした。永井智浩編成育成本部本部長兼スカウト・育成部部長は「今までにない遊撃手のタイプ。柳田(柳田悠岐)に似たような、遠くに飛ばせる力がある」と語り、スカウト評価が一番だったことが指名の理由と説明した。

西武公表◎蛭間拓哉[早大/外野手/176cm84kg/左左]


 昨年、隅田知一郎(西日本工大)の1位を公表した西武は、4球団競合の末に交渉権を獲得。今年もその験担ぎと誠意を示すため、11日に蛭間拓哉(早大)の指名公表に踏み切った。渡辺久信GMは「広角に打てる。右も左もしっかりとしたスイングで、主力を張れる選手。オールラウンダー」と太鼓判。攻守走三拍子そろう左のスラッガーはまさにチームの補強ポイントというわけだ。

日本ハム公表◎矢澤宏太[日体大/投手&外野手/173cm70kg/左左]


 西武と同日に投打二刀流の矢澤宏太(日体大)の1位指名を公表した日本ハムは、何と言っても大谷翔平(エンゼルス)を育て上げた実績がある。稲葉篤紀GMは「二刀流も三刀流もできる選手」と指名の意図を説明。球団は「投げて打って走りたい」という矢澤本人の強い希望を確認済みだという。

広島公表◎斉藤優汰[苫小牧中央高/投手/189cm88kg/右左]


 13日には広島が最速151キロの長身右腕・斉藤優汰(苫小牧中央高)の1位指名を宣言。「今回のドラフトは素材、将来性」とテーマを示し、その上で「次世代のエースになるだろうという選手」として白羽の矢が立った。

オリックス公表◎曽谷龍平[白鴎大/投手/182cm79kg/左左]


 さらに14日にはオリックスが続く。福良淳一GMは152キロ左腕・曽谷龍平(白鴎大)を1位指名することを公表。「ウチの補強ポイントでNO.1の評価。真っすぐが強いし、右打者のインコースのボールも強い。スタミナもある」と絶賛する。

 ほかにも即戦力右腕・吉村貢司郎(東芝)や高校NO.1捕手の松尾汐恩(大阪桐蔭高)らも1位候補に名前が挙がっており、公表していない各球団の決断が注目される。

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