僕の場合は、進路が本当に決まっていませんでした。大学に行くのか、プロに行くのか。そこで、ドラフト前に、大学の選択肢はなくしてプロ一本で、駄目だったら考えるくらいにほかの考えは全部捨ててドラフト会議に臨みました。
寮の共有スペースで仲間とみんなで見ていて、同学年のスターたちが選ばれ、やっぱりこういう人たちがプロに行くんだな、すごいなって思う半面、悔しい気持ちも。育成ドラフトで自分が指名されたときは、うれしいよりホッとした気持ちが強過ぎました。野球ができる環境を勝ち取ったって。育成だろうと何だろうと、入ったからには同じプロの舞台で勝負できる。もう絶対チャンスをつかみ取ろうと思っていました。
『週刊ベースボール』2023年10月16日号(10月4日発売)より
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