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2024新戦力完全チェック

<新外国人CLOSE-UP>チームを救う救世主になるのは誰だ? 期待の新助っ人たち【セ・リーグ編】

 

今季も多くの新外国人たちが日本球界にやって来たが、どんなに過去の実績が素晴らしくても活躍できるかどうかは分からない。ここではNPB1年目となるセ・リーグ6球団12人の新助っ人を紹介し、その期待値を探ってみよう。誰が活躍するかは、神のみぞ知るだ。
※情報は2月17日現在。国内移籍、復帰は含まない。守備位置は適性ポジションで左に行くほど適性が高い。年俸は推定。年齢は2024年の満年齢
写真=BBM

阪神・ゲラ 抑えも狙える164キロ右腕


ハビー・ゲラ[投手/中継ぎ]パナマ/183cm86kg/右左/29歳/1億4700万円


 メジャー・デビュー後に遊撃手から投手に転向しており「うまいなあ。けん制でもうまいもん、投げるの。別に注文つけるとこないよな」と岡田彰布監督が守備に関して絶賛するほど。164キロのツーシーム、フォーシームに鋭く曲がるスライダーが武器。昨年セーブ王の岩崎優、故障明けの湯浅京己の調子が上がらなければ、抑えとしても十分に通用する。躍動感の少ないまとまった投球フォームだが、そこから160キロ超えの真っすぐには伸びがあり打ちにくいはず。まずはセットアッパーとして8回で活躍しそうな気配だ。

広島・ハーン “新左キラー”はやる気十分


テイラー・ハーン[投手/中継ぎ]アメリカ/198cm104kg/左左/30歳/8760万円


 2019年からの5シーズンでメジャー通算101試合に登板。21、22年は2年連続で30試合以上を投げ、大谷翔平(現ドジャース)から計12打数2安打、5三振を奪った経験も持つ。長身から投げ下ろす速球は最速160キロと威力十分。やる気も十分だ。春季キャンプではハッチとともに日南で一軍に合流すると、合流初日に「投げたい気持ちになったのでお願いしたよ」とブルペン入り。左打者に対しては「3球以内で抑えたい」と自信をのぞかせるなど、早くも頼もしい。

DeNA・ウィック 異色の“三刀流”


ローワン・ウィック[投手/中継ぎ]カナダ/190cm106kg/右左/32歳/1億1000万円


 190cmの長身右腕は、2012年にカージナルスで捕手としてプロキャリアをスタートした。14年に外野手へ転向すると、翌15年途中に投手へと再コンバート。その後、18年にメジャー・デビューを果たし、23年終了時点でメジャー通算146登板。平均150キロを超す直球と変化の大きいナックルカーブで三振を量産する。先発、中継ぎともに経験豊富だが今季は中継ぎとして起用される予定で、萩原龍大チーム統括本部本部長は「勝ちパターン以上の活躍を期待している」と口にする。また、守備練習では軽く投げているように見えて鋭い送球を披露しており、アームの強さは随一だ。

ヤクルト・ヤフーレ 滑るスライダーが武器


ミゲル・ヤフーレ[投手/先発・中継ぎ]ベネズエラ/185cm97kg/右両/26歳/8250万円


 笑顔が素敵な右腕は最速152キロの直球に変化球も多彩。メジャー通算19試合登板で防御率7.58と実績こそないが、新天地でブレークを予感させる先発候補だ。大きな武器となりそうなのが「スパイクスライダー」と呼ばれる独特な変化球。曲がり幅の大きい魔球で日本の好打者たちと勝負する。2月17日にはライブBP(実戦形式の打撃練習)に初登板し、37球を投げて安打性4本に抑える投球。高津臣吾監督も「非常に内容があって良かった」と評価した。

広島・シャイナー 「打点」を挙げて勝利に貢献


ジェイク・シャイナー[内野手/一塁手・三塁手・外野手]アメリカ/185cm90kg/右右/29歳/1億2000万円


 メジャー経験こそないものの、マイナーでは6シーズンで通算102本塁打をマーク。2023年は自身初となる3Aでプレーをして124試合に出場すると、「打点を挙げるのが得意」と語るとおり、30本塁打、105打点を挙げた。持ち前のパワーで「長打は全方向に打てる」と、日本でも快音連発に意欲を燃やす。打撃練習では「非常にいい感覚」と気持ち良く打球を飛ばしているだけに、実戦が楽しみだ。レイノルズとともに中軸入りも期待され、勝利に貢献する打撃に見せる。

巨人・オドーア 実績最上位の大砲


ルーグネッド・オドーア[外野手・内野手/二塁手]ベネズエラ/180cm90kg/右左/30歳/2億円


 MLB通算178本塁打、2016年には自己最多の33発を放つなど3度のシーズン30本塁打以上をマークする掛け値なしの大砲は、外国人野手や中田翔などの退団によって目減りするかと思われた長打力を補って余りある存在だ。乱闘騒ぎの先頭に立つ旺盛な闘争心も、チームに足りないものではある。二塁を本職とするが外野へも対応可能。合流が遅れていたものの、沖縄・那覇の2次キャンプからついに合流。トレードマークのヒゲに後頭部を残して髪もそり落とし、「巨人仕様」に生まれ変わった姿で現れた。打線の破壊力をさらに向上させるはずだ。

中日・ディカーソン ミート力に優れた中距離打者


アレックス・ディカーソン[外野手・内野手/一塁手]アメリカ/190cm104kg/左左/34歳/7000万円


 実戦初打席となった2月16日のフリー打撃で柳裕也のカーブを救い上げ、右中間席へ運んだ。メジャー通算40本塁打の実力を証明したが、どちらかと言えば長打も期待できるアベレージヒッター。広角に強いライナー性の打球を飛ばす中距離砲だ。立浪和義監督は「ミート力がある」と評価し、左翼のポジションを大島洋平らと争うことになりそう。三番に定着できれば打線の厚みは増すが、昨年はアキーノで失敗しているだけに過度な期待は禁物。勝負強い打撃で存在感を見せたい。

DeNA・ケイ ハマのドクターK


アンソニー・ケイ[投手/先発]アメリカ/183cm102kg/左左/29歳/1億1600万円


 スリークオーターから150キロ超の直球と横方向に大きく滑るスライダー、チェンジアップなどを駆使する先発左腕。来日前にブルージェイズ時代の同僚である元オリックスワゲスパックから日本の野球について話を聞き、昨季先発陣の軸となったT.バウアーのYouTubeで横浜を知るなど研究熱心な性格の持ち主。2月16日に行われたライブBPでは制球に苦労する場面もあったが、力のあるボールで打者6人に対し安打性の当たり1本に抑えた。

DeNA・ジャクソン 自らのスタイル曲げず


アンドレ・ジャクソン[投手/先発・中継ぎ]アメリカ/190cm95kg/右右/28歳/1億4500万円


 昨年メジャー12試合登板の実績を持つ右腕は、球威のある直球と必殺のチェンジアップの組み合わせで勝負する。もともと持っていた日本野球へのリスペクトに加え、DeNAからの先発として期待する熱いオファーが来日を決意させた。チームの先輩J.B.ウェンデルケンからは「打者のアプローチこそ少し違うが、順応していける。自分の長所を信じて」とアドバイスをもらった。自分の最高のボールを投げ込むことが結果につながると信じている。

広島・レイノルズ 勝負強さに広ーい守備範囲


マット・レイノルズ[内野手/二塁手・三塁手・一塁手・遊撃手]アメリカ/185cm95kg/右右/34歳/8250万円


 メジャーでは6シーズンを経験し、キャリアハイは2022年の93試合。メジャー出場2試合のみだった23年は、3Aでは115試合で22本塁打、90打点をマークした。来日後も練習では迫力満点のスイングで、「今の課題は日本人投手のタイミングに何とか合わせること」と対応力を見せていく。勝負強さもさることながら、内野守備に関しては本職の二遊間だけでなく捕手以外どこのポジションでも守れる。器用さを発揮して、攻守でチームにフィットする。

ヤクルト・エスパーダ 順調スタートの救援右腕


ホセ・エスパーダ[投手/中継ぎ]プエルトリコ/183cm77kg/右右/27歳/9800万円


 前所属のパドレスに移籍金を支払い獲得に至った救援右腕。角度ある投球フォームから150キロ超の直球、スプリット、スライダー、カーブなどを織り交ぜて打者を打ち取る。昨季はメジャー1試合に登板、米マイナーでは83回1/3を投げ奪三振率11.9の成績を記録した。春季キャンプでは初日からブルペン入りし、2月17日にはライブBPでも好投を披露した。期待される役割は勝ちパターンの一角として腕を振ること。開幕から戦力となるために、対外試合で実戦経験を積んでいく。

広島・ハッチ 得意球と制球力が抜群


トーマス・ハッチ[投手/中継ぎ]アメリカ/185cm88kg/右右/30歳/1億2400万円


 2020年からの4シーズンで登板したメジャー通算39試合のうち、23年は2球団で計18試合。マイナーでは先発としての経験も多い万能型だ。最速157キロの真っすぐに、得意球はチェンジアップ。来日の関係で春季キャンプは二軍スタートも、日南入りのタイミングで一軍に合流。2月16日には来日後初のシート打撃に登板し、最速152キロをマークすると、チェンジアップとのコンビネーションに制球力の高さも披露した。打者との対戦を増やし、対応していく。

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