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2024新戦力完全チェック

<新外国人CLOSE-UP>チームを救う救世主になるのは誰だ? 期待の新助っ人たち【パ・リーグ編】

 

今季も多くの新外国人たちが日本球界にやって来たが、どんなに過去の実績が素晴らしくても活躍できるかどうかは分からない。ここではNPB1年目となるパ・リーグ4球団14人の新助っ人を紹介し、その期待値を探ってみよう。誰が活躍するかは、神のみぞ知るだ。
※情報は2月17日現在。国内移籍、復帰は含まない。守備位置は適性ポジションで左に行くほど適性が高い。年俸は推定。年齢は2024年の満年齢
写真=BBM

西武・アギラー 異国で本領発揮する大砲


ヘスス・アギラー[内野手/一塁手・三塁手]ベネズエラ/190cm125kg/右右/34歳/2億1000万円


 フリー打撃では逆方向の右打ちから始める。メジャー通算114本塁打を誇る大砲だが、強振せずに丁寧な打撃に終始。大きい当たりだけでなく、打率を残しそうな期待感を抱かせる。本人も「ミートが得意」とボールをコンタクトする能力には自信を持つ。一塁守備も巧みで源田壮亮外崎修汰がハンドリングの柔らかさを称賛する。練習熱心で真面目。日本に溶け込もうとする意識も垣間見える。かつて西武でプレーし、通算142本塁打を放ったエルネスト・メヒアとは友達で日本球界に関していろいろ教わったという。日本球界で成功する要素にあふれる。

日本ハム・レイエス 度肝を抜く本物のパワー


フランミル・レイエス[外野手]ドミニカ共和国/196cm120kg/右右/29歳/1億円


 メジャーで積み重ねてきた108本塁打は伊達ではなかった。春季キャンプのフリー打撃ではバックスクリーンを軽々と越える160メートル弾で見る者の度肝を抜いた。パワーだけではない。2月5日のDeNAとの練習試合(宜野湾)ではいずれも中堅から右方向へ3安打。新庄剛志監督も「日本ではこういうバッティングスタイルでないと成功しないと、分かっている」と大絶賛。ベンチでは誰よりも声を出してチームメートを鼓舞するムードメーカーでもある。指揮官が「その時点で一番調子がいい選手を使う」という開幕四番争いにおいて、一気に本命へと躍り出た。

オリックス・エスピノーザ “真っスラ”を武器に悲願へ


アンダーソン・エスピノーザ[投手/先発・中継ぎ]ベネズエラ/183cm86kg/右右/26歳/4500万円


 鼻息荒く来日だ。目標は「まずはケガなく」とししつ「ノーヒットノーランといった成績を残せるように頑張っていきたいね」。メジャーでは7試合登板のみも今年26歳と伸び盛り。2月12日にはブルペンで直球、ツーシーム、カットボール、スライダー、カーブと全球種を披露。ボールを受けた若月健矢は「(直球が)真っスラ。動いています」と話し、チームにはパワーピッチャーが多いだけに存在感を示す可能性大。先発ローテ入りを果たして、悲願の“ノーノー”達成へ。

ロッテ・ダイクストラ 多彩な変化球の先発候補


ジェームス・ダイクストラ[投手/先発]アメリカ/193cm100kg/右右/34歳/1500万円


 メジャー経験はないが、スライダー、シンカー、チェンジアップ、カットボールなど豊富な変化球を投げ分ける右腕。幼少時は野茂英雄(ドジャースほか)の大ファンだったという。ローテーション入りを期待されており、3人の新外国人投手の中で年俸が1人だけケタ違いに低いので、「当たれば儲けもの」という感覚か。現実的には、夏場以降に先発投手がへばったり、離脱者が出たりしたときに代わりに先発マウンドを任せられることになりそう。

西武・ヤン 明るい性格の奪三振マシン


ジェフリー・ヤン[投手/中継ぎ]ドミニカ共和国/190cm83kg/左左/28歳/7500万円


 ムチのようにしなる腕の振りからキレのあるボールを投じる。最速159キロを誇るリリーフ左腕だ。オーバースロー、スリークオーター、サイドスローとあらゆる腕の角度からカーブ、スライダー、チェンジアップを操って打者を幻惑する。昨年はマイナーで奪三振率16.1をマークしたが「今年は140奪三振が目標」と鼻息荒い。奪三振時のパフォーマンス、“ラ・センテンシア99”も見どころの一つだ。明るい性格で、チームのムードメーカーにもなる。

日本ハム・マーフィー 実戦派の長身右腕


パトリック・マーフィー[投手/先発]アメリカ/196cm95kg/右右/29歳/1億2000万円


 196cmの長身を誇る大型右腕は春季キャンプに入っても順調そのもの。懸念されていたクイックもスムーズにこなし、新庄剛志監督は「ランナーが出ても安心して見ていられる」とあらためて先発での起用を示唆した。実戦に入っても150キロ超のストレートにカーブを使った緩急で打者を手玉にとるなどしっかりアピール。自身も「先発でやるなら15勝以上が目標」と鼻息が荒い。楽天へ移籍したポンセの穴埋め以上の活躍が期待できるはずだ。

オリックス・マチャド 制球力も高い160キロ右腕


アンドレス・マチャド[投手/中継ぎ・抑え]ベネズエラ/185cm105kg/右右/31歳/1億3500万円


 メジャー通算137試合登板の最速160キロ右腕。2月6日にキャンプに合流し、14日にはライブBPに登板して30球を投じて安定した制球力も示しつつ、最速152キロを計測と順調に調整中だ。中嶋聡監督とクイックについて話す一幕もあり、「(日本で)プレーしたことがある人、全員に話を聞いていきたい」と日本野球への順応にも意欲的。セットアッパーのほか、平野佳寿の休養日などに代役ストッパーとして起用される可能性も。ブルペンを強固にする。

ロッテ・コルデロ 最速167キロは本当なのか


ジミー・コルデロ[投手/中継ぎ]ドミニカ共和国/190cm111kg/右右/33歳/1億8000万円


 MLB通算114登板で6勝21ホールドと実績豊富なリリーバー。ヤンキース時代の昨年、大谷翔平(当時エンゼルス)を抑えたことがあるのが自慢で、球速のMAXは167キロという前評判。本当に試合で167キロが出れば大したものだが、今のところはブルペンでもその剛腕を発揮していない。もうちょっと気候が暑くならないと無理なのだろうか。順調に行けば昨年1年だけで退団したペルドモのように、8回の1イニングを任せられるようになるだろう。

日本ハム・ザバラ いきなり161キロの剛腕


アニュラス・ザバラ[投手/中継ぎ・抑え]ドミニカ共和国/190cm117kg/右右/28歳/1億1000万円


 ウワサに違わぬ剛腕ぶりを見せつけている。初の実戦登板となった2月4日の紅白戦で初球からいきなり161キロをマーク。1イニングを1安打無失点に抑えて「最初にしては満足いく結果になった」と冷静に振り返った。これを見た新庄剛志監督は「抑え候補? それしかないでしょ!」とクローザー抜てきプランも口にする。いずれにしても7、8、9回を任せるに足る存在であることは確か。盤石のブルペン陣を築くための大きなピースになる。

西武・コルデロ 打球を飛ばすスラッガー


フランチー・コルデロ[外野手]ドミニカ共和国/191cm102kg/右左/30歳/1億円


 バットを軽く振っているように見えるが、うまく打球に角度をつけてスタンドインさせる。フリー打撃で持ち前のパワーを発揮している左のスラッガーだ。メジャー通算251試合で27本塁打。本人も「ボールを強くたたいて遠くへ飛ばすのがプレースタイルだ」という。日本人投手の緻密な変化球への対応がカギとなるが、仲がいいマイケル・フランコ(楽天)、ポランコ(ロッテ)から情報は仕入れている。こだわるのは打点。勝利に直結する一打を放つ。

オリックス・トーマス 目を引く低弾道の鋭い打球


コーディ・トーマス[外野手]アメリカ/193cm96kg/右左/30歳/1億1000万円


 マイナー通算123本塁打と長打力もあり、2月6日にキャンプ合流後の打撃練習でもサク越えを披露。ただ、「練習は低いライナーを打つのがテーマ」と話すように鋭い打球が大半を占め、打線のアクセントとなり得る中距離ヒッターだ。頓宮裕真森友哉セデーニョらもおり、指名打者だけの起用は難しいのは承知の上で意欲的にノックも受けている。阪神ノイジーとはオクラホマ大時代のチームメート。同じ“関西の助っ人”として負けられない。

ロッテ・フェルナンデス 先発でもリリーフでも


ジュニオール・フェルナンデス[投手/先発・中継ぎ]ドミニカ共和国/190cm106kg/右右/27歳/1億8000万円


 2月11日に来日初のブルペン入りした際には決め球のシンカーなど変化球も交えて37球を披露し、「すべてのボールが良かった。とてもいいゾーンに投げられた」と順調な調整ぶりをアピールした。その様子を見守った吉井理人監督も、「ボールはよく動く」と高評価を与えた。ただ、起用法については「できれば先発してほしいけど……」と明言を避けた。本人は「チームの都合のいいところでいいよ」と気にしていない。

西武・アブレイユ 力強いボールのクローザー候補


アルバート・アブレイユ[投手/中継ぎ・抑え]ドミニカ共和国/188cm86kg/右右/29歳/1億5000万円


 小さなテークバックから力強いボールを投げ込む。最速163キロ右腕はクローザー候補だ。ブルペン投球を受けた捕手・炭谷銀仁朗が「手元でギュッとくる」という直球にスライダー、ツーシーム、チェンジアップが持ち球。ツーシームは変化を微妙に操る。昨年はヤンキースでキャリアハイの45試合に登板し、奪三振率9.31と三振を奪う能力もある。目指すは背番号でもある「54セーブ以上」。闘争心も持ち合わせており、勝ち試合を締める役割は適任だ。

日本ハム・スティーブンソン 新リードオフマン候補


アンドリュー・スティーブンソン[外野手]アメリカ/180cm86kg/左左/30歳/1億1000万円


 マイナーでは通算183盗塁をマークしている俊足の持ち主で、広大な守備範囲を誇る指揮官好みの外野手。キャンプ序盤は打撃の状態が上がってこなかったものの、実戦に入ると徐々に上向せ、出塁すれば果敢に盗塁を仕掛けて「アピールだよ」とニヤリと笑う。新庄剛志監督は「一番や二番を争う存在になってほしい」とリードオフマン候補としても期待する。激化する外野のレギュラー争いを高いレベルで活性化していく存在だ。

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