僕は過去2年間、一軍にいる機会はほとんどなかったので、琢朗さん(石井琢朗チーフ打撃兼走塁兼一塁ベースコーチ)に指導を受けることは多くありませんでした。昨年の秋季トレーニング1日目、どんな指導をされるのだろうかと思っていたら、最初に、もう教えることはない、走塁はセンスだからと。

　もちろん現役時代に盗塁王を4度獲得した方なので、盗塁の細かい部分は話をしましたが、基本的には僕の形を尊重してくれました。琢朗さんも盗塁をしてきた人なので、分かるんだと思います。盗塁は指導を受けて良くなるものではないし、僕も人に教えるのは難しい。感覚的な部分が多いことを分かってくださってすごくやりやすかったです。

『週刊ベースボール』2024年3月18日号(2024年3月6日発売)より

写真=BBM