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GT伝統の一戦 球史に残る究極のライバルたち

 

男たちの一歩も引かぬ一騎打ち。命を削り合うような壮絶な戦いが、ファンを沸かせ、しびれさせた。

伝説の剛腕と怪力無双の二刀流〜沢村栄治(巨人)vs景浦将(阪神)〜



 革創期のライバルだ。立大を中退し阪神に入団した景浦は投手と野手の二刀流。対して沢村は快速球とドロップを武器に、全日本メンバーとして米選抜チーム相手に快投を見せた伝説の大エースだ。37年春には沢村が24勝4敗、防御率0.81に対し、景浦は投手としては11勝5敗、防御率0.93、打っては打点王に。その後、ともに応召し戦死。

プロ野球史上最高のライバル関係〜長嶋茂雄(巨人)vs村山実(阪神)〜


巨人・長嶋茂雄vs阪神・村山実


 59年の天覧試合で“因縁”が生まれた両者。特に“炎のエース”とも言われた村山は、長嶋を徹底してライバル視し、引退まで真っ向勝負を貫いた。通算1500、2000と節目の奪三振を長嶋から“狙って”取った村山。長嶋は「対戦では大いに燃えた。彼がいたから磨かれた部分はあった。勝っても負けてもすがすがしさがありました」と振り返る。

怪物と怪物の真っ向勝負〜王貞治(巨人)vs江夏豊(阪神)〜


巨人・王貞治vs阪神・江夏豊


 入団2年目、68年に村山から「俺は長嶋、お前は王をライバルにしなさい」と言われた江夏。その言葉どおり世界のホームラン王に対し牙をむき、同年、奪三振の日本タイと新記録も王から奪った。71年9月15日、不振の王がストレートにこだわった江夏から放ったサヨナラ本塁打が、王にも江夏にも、もっとも印象的な対決だったという。

最高の球に最高のフルスイング〜江川卓(巨人)vs掛布雅之(阪神)〜


巨人・江川卓vs阪神・掛布雅之


 入団年は違うが同学年の両者。2人の対決は常に“力対力”だった。江川は掛布に対し、インハイへ最高のストレートを投げ込み、掛布もまたフルスイングでこたえる。掛布は「対戦のたびに自分のスイングに対する答えのようなものを教えてくれることがあった」と語っているが、対戦成績は167打数48安打、うち14本がホームランだった。

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