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かつてないタフなシーズンに【立浪和義の超野球論】

 

中日・梅津のブレークはなるか


外国人枠拡大の影響


 6月19日、いよいよプロ野球のシーズンが開幕しました。当初の予定からは3カ月近く遅れ。しかも、本当に開幕できるかどうかも分からぬ時期もあり、本当に長く感じられました。

 選手も、まったく経験したことがない状況ですし、長い中断もあって調整が難しかったとは思います。前にも書きましたが、暑さに加え、湿気が多く、疲労がたまりやすい梅雨時からのスタートです。例年以上に体調管理には気をつけてほしいと思います。

 締め切り時点では、まだ開幕前なのですが、私が1つ注目しているのが、外国人枠です。先日、外国人選手枠が1人増え、5人にする特例処置の発表がありました。これは間違いなく、各チームの戦い方に影響してくると思います。

 セ・リーグでは外国人選手8人を抱える阪神もそうですが、個々の選手の実績を考えれば、ソト選手、ロペス選手、オースティン選手を打線に並べ、さらに投手を2人登録できるDeNAが一番有利ではないでしょうか。

 このチームは細かい野球をしてくるわけではありませんが、はまればすさまじい破壊力があります。今永昇太選手をはじめとする先発陣が1年を通し機能したらという条件付きですが、優勝候補に挙げていいでしょう。

中継ぎの負担を減らす


 もちろん、巨人広島といったところも力がありますが、私は身内をひいきするわけではなく、中日も今年は悪くないと思っています。これは昨年からですが、打線はかなり強力です。特に抜けた選手もいませんし、長打力に物足りなさがありながらも、今年も変わらず結果を出してくれそうです。

 問題は先発陣でしょう。今季は延長が10回までとは言え、連戦が多い超過密日程です。昨年までの戦い方では間違いなく、中継ぎがパンクします。

 今は大野雄大選手、吉見一起選手、柳裕也選手に加え、若手先発候補として、梅津晃大選手、山本拓実選手、小笠原慎之介選手らの名前が挙がっています。山本選手、梅津選手が練習試合で素晴らしいピッチングをしていましたが、彼ら若手の中で何人が1年間投げ抜けるかでしょう。私は、特に梅津選手に注目しています。昨年まではケガが多く、長いイニングを投げていないという不安がありますが、ポテンシャルは非常に高いものがあります。

 あくまで練習試合ですし、相手もそこまで本気になってはいない。まだまだやってみなければ分からないところがあるのは事実ですが、若い選手は長いイニングを投げることで、勝負どころを学びます。ここぞの場面でカウントを悪くしないようになど、勉強もしていくと思いますし、成長の1年になってほしいですね。

 パ・リーグでは、佐々木朗希選手を早く見たいですね。ひとまず一軍帯同の方針になったと聞きました。焦る必要はまったくありませんが、シーズン後半でもいいので、プロの一流バッターを相手にした姿を見たいと思います。

 日程表も発表されましたが、これはきついですね。特に前半、同じカードの6連戦が続くパはかなりハードです。以前も書きましたが、遠征自体は長くても仕方がないとは思いますが、ずっと同じ球場で同じ対戦というのは、メリハリがつきづらく、前の試合の悪い雰囲気を引っ張りやすい。新型コロナで外出禁止になるチームも出てくると思いますので、食事などでの気晴らしもできないでしょうしね。間違いなく、タフなシーズンになると思います。

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