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“一打無敵”のご意見番が球界を斬る 張本勲の喝!!

張本勲コラム「名選手にして名監督だった、川上さんの“不動”の打撃。比べることができるのはイチローくらいのものだろう」

 

川上さんは現代であっても理想的な、美しく“不動”のバッティングフォームだった


今見ても理想的なバッティングフォーム


 名選手、必ずしも名監督にあらず。野球界に限らずスポーツ界でよく言われる格言だ。確かに功労者だから、生え抜きだからという理由だけで監督を選ぶことが多いが、やらせていけない人、やってはいけない人というのはいる。

 名選手にして名監督、さらには大監督となった人も、もちろんいる。私が“四大監督”の1人だと考えている川上哲治さん(元巨人)はその筆頭になるだろう。

 80年以上のプロ野球の歴史の中で、長打ということを別にすれば、バッティングそのものは川上さんが一番だと私は思っている。まさに“不動”という言葉がよく似合う。

 最初から最後までほとんど上下左右に動かず、軸がぶれない。普通は反動を使って打つために多くのバッターはバックスイングをするものだ。あのワンちゃん(王貞治、元巨人)だってバックスイングをしていた。だが、川上さんは小さな構えからわずかに手の甲を引くだけ。それも写真で見るから分かるものであって、実際にはまったく動いていないように見えたはずだ。

 そこからピッチャー出身らしいしっかりとした下半身を使って、理想的な歩幅でステップをしていく。ステップが広過ぎず、最後まで右ヒザに余裕があるから、どんなボールにも対応ができる。下の写真では打った瞬間に右ヒザが突っ張ったように見えるかもしれないが・・・

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“一打無敵”のご意見番が球界を斬る 張本勲の喝!!

球界きってのご意見番として活躍する野球評論家の張本勲氏が週刊ベースボールで忖度なしの喝を発信。球界の未来を考えた提言を展開する。

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