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“一打無敵”のご意見番が球界を斬る 張本勲の喝!!

張本勲コラム「かつてパが抱いていたようなセへの対抗心が消えた今、セとパが戦う交流戦の意味は薄れてきているのではないか」

 

1962年のオールスター第2戦でMVPに輝いた筆者。かつてパの豪傑たちはセの選手たちに並々ならぬ対抗心を燃やしていた


人気のセ、実力のパと呼ばれた時代もあったが


 交流戦が佳境に突入している。2005年から始まった交流戦は今年でもう15年目だが、もはやマンネリ化しているように思う。

 目新しいことを始めよう、ファンにより楽しんでもらおうと企画を練り、実際にお客さんも入ってくれたわけだから、交流戦という企画自体は成功だった。だが、セ・リーグのチームとパ・リーグのチームが、ただいつもどおりに戦うだけだったらオープン戦もあるわけだし、オールスターゲームもある。せっかく公式戦で戦うのであれば、「絶対に相手のリーグには負けられない」といういつも以上の気迫を見せてほしい。今は、いつもどおりに淡々と試合をしているように見える。これでは面白くない。

 かつては「人気のセ、実力のパ」と言われていた時代もある。セ・リーグの親会社は巨人と読売新聞、中日と中日新聞のように報道機関が多い。パ・リーグの親会社には昔、毎日がオリオンズの親会社だった時期があるくらいだ。

 巨人と読売新聞や日本テレビの関係がそうだが、親会社は自分たちの選手を売り出したいと思う。それは当たり前だ。しかも、巨人は強かった。V9の時代は日本シリーズでパのチームをことごとく退けた。こうなると、読売グループだけではなく、ほかのテレビや新聞も、報道で大きく取り上げるのは巨人、そして巨人と戦うセ・リーグのチームや選手たちばかりになる。

 私も入団からしばらくは自分のことで精いっぱいで、がむしゃらに野球に取り組んでいただけだったが、1年目で新人王を獲り、2年目に打率3割、3年目に首位打者を獲ったことで、少しずつ周囲を見る余裕が生まれてきた。そこで一番感じたのが・・・

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“一打無敵”のご意見番が球界を斬る 張本勲の喝!!

球界きってのご意見番として活躍する野球評論家の張本勲氏が週刊ベースボールで忖度なしの喝を発信。球界の未来を考えた提言を展開する。

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