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“一打無敵”のご意見番が球界を斬る 張本勲の喝!!

張本勲コラム「ヤマを張ってフルスイングした3000安打は思いもよらぬ本塁打。母との記念撮影で最高の思い出に」

 

節目の3000安打を本塁打で決めて喜びを爆発させる筆者


目指せ3000安打


 開幕してから2カ月が過ぎ、早いもので間もなく6月だ。ちょうどこの時期、私は日本プロ野球史上初の3000安打を達成している。今回はその話をしよう。

 詳しい日付までは覚えていなかったが、調べたところ1980年5月28日の川崎球場での記録達成だった。当時の私は巨人からロッテに移籍してきての1年目。阪急戦で山口高志投手からライトスタンド照明塔の鉄塔部分を直撃する本塁打で決めたのだった。

 私が3000安打を意識し始めたのは、巨人で2500安打を打ったときだ(76年6月10日の阪神戦/後楽園)。皆に祝福されながら「3000安打も行けますよ!」とけしかけられた。2500安打はノムさん(野村克也、南海ほか)に次いで史上2人目の快挙。この時点でノムさんはまだ現役で2645安打を記録していた。そのノムさんを追い抜いて日本記録を作りたいという思いはあったが、3000安打は考えたことがなかった。最初は3000と言われてもピンと来なかったし、とても無理だろうと思っていたのだが、しかしよく考えてみれば、あと3〜4年ほど現役を続ければ決して届かない数字ではないような気がしてきた。私は間もなく36歳になろうとしていたが、まだまだ打撃には自信があったし、巨人に移籍して気力もみなぎっていた。

「よし、やってやろう」

 天下の巨人で3000安打を達成できたら言うことはない。それを花道に引退しようと思いを巡らせた。巨人に移籍して4年目、79年のシーズンが始まる前の私の安打数は・・・

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“一打無敵”のご意見番が球界を斬る 張本勲の喝!!

“一打無敵”のご意見番が球界を斬る 張本勲の喝!!

球界きってのご意見番として活躍する野球評論家の張本勲氏が週刊ベースボールで忖度なしの喝を発信。球界の未来を考えた提言を展開する。

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