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“一打無敵”のご意見番が球界を斬る 張本勲の喝!!

張本勲コラム「日米の差は着実に縮まっていると痛感。侍ジャパンの金メダルの要因はチームワークの結束。あっぱれだ!」

 

投手陣の好投を引き出した女房役の甲斐。MVP級の活躍だった[写真=Getty Images]


日米野球の違い


 日本が決勝でアメリカを2対0で下して金メダルを獲得した。5試合を戦って負けなしの完全優勝。しかもアメリカにはノックアウトステージでもサヨナラ勝ちして2試合連続の勝利だから、今回のオリンピックでは日本の力がアメリカよりも上回っていたと言っていいだろう。

 ロサンゼルスにいる友人にアメリカの報道はどうなっているのかと聞いたところ、代表にはベストな布陣を送り込んでいないから仕方がないという意見が大半を占めているということだった。それを言うなら日本も同じだ。全米を熱狂させている大谷翔平(エンゼルス)、また菊池雄星(マリナーズ)、前田健太(ツインズ)らメジャーで戦っている選手は代表に加わっていない。同じ条件だから言い訳にはできない。

 アメリカとの決勝を見終えて、私は日米の野球の差が縮まったとつくづく感じた。私が現役のころ、アメリカの選手というのは体も大きかったし、パワーもケタ外れだった。正直、とてもかなわないと思ったものだが、今は違う。大きな選手もいるが、それほど体格差は感じないし、むしろ村上宗隆(ヤクルト)、柳田悠岐(ソフトバンク)などのほうが大きく見えるし、パワーも決して負けてはいない。十分に対抗できているように思う。

 また、日本は野球を団体スポーツとしてチームに重点を置く戦い方をするが、アメリカは個を重んじ、個の力で局面を打開していく戦い方をする。いわゆる野球とベースボールの違いだが、それは国民性や文化の違いも関係しているからどちらが良い悪いではないのだが、その戦い方を象徴するシーンが試合の中であった。ノックアウトステージの延長戦・・・

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“一打無敵”のご意見番が球界を斬る 張本勲の喝!!

球界きってのご意見番として活躍する野球評論家の張本勲氏が週刊ベースボールで忖度なしの喝を発信。球界の未来を考えた提言を展開する。

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