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“一打無敵”のご意見番が球界を斬る 張本勲の喝!!

張本勲コラム「現状維持は成長にはつながらない。変化なくして進化なしと知るべきだ。若いころの巨人・松井秀喜との思い出」

 

ルーキー時代の松井。右足を高く上げたフォーム


ゴジラの欠点


 少し前の話になるが、阪神の怪物ルーキーでもある佐藤輝明が二軍落ちとなった。開幕からスタメンに定着し、パワフルな打撃でホームランを量産。阪神がスタートダッシュに成功した立役者でもあったのだが、調子を落とし、登録抹消直前は35打席連続ノーヒットだったから当然の二軍落ちだろう。

 序盤の活躍を考えれば佐藤輝の失速は信じられないファンも多いと思うが、これがプロの世界だ。私はこの連載で繰り返し、三振が多過ぎると指摘してきたはずだ。それをフルスイングの証拠と称賛する解説者たちもいたが、私は右足の上げ方が中途半端なこと、また構えたときのグリップの位置が高過ぎることに原因があると見ている。そこをもう一度、見直してもらいたい。対戦を重ねればデータも増える。各球団は徹底的に怪物ルーキーの対策を練り、そのデータを生かしているのだと思う。今度は佐藤輝がそれに対応していかなければならない。やられたらやり返す。それがプロの世界であることを覚えておくべきだ。この号が発売されるころには一軍に復帰しているかもしれないが、これを機に自分の打撃を見つめ直してもらいたい。

 今回の佐藤輝の件で思い出したのが“ゴジラ”と言われた巨人松井秀喜のことだ。星稜高3年生のときに出場した夏の甲子園で5打席連続敬遠されたことは読者の方ならご存じだろう。超高校級のスラッガーは1992年秋のドラフト1位で巨人に入団した。もう30年近くも前の話になるが、私は巨人のOB、臨時打撃コーチとして翌年の春季キャンプに足を運び、松井のバッティングを目にした。

 とても高校生とは思えない打球の強さであり、飛距離だった。数年前に見た同じ高卒ルーキーの清原和博(PL学園高-西武ほか)のバッティングにも驚かされたが、その清原と比べてもひけをとらない。私は4球団競合となった松井を抽選で引き当て、その年から巨人の監督として復帰した長嶋(長嶋茂雄)さんと一緒に松井のバッティングを見ていた。

 ただし、私には・・・

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張本勲

球界きってのご意見番として活躍する野球評論家の張本勲氏が週刊ベースボールで忖度なしの喝を発信。球界の未来を考えた提言を展開する。

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