真の指導者たるもの

　昨年末の話になるが、イチローが女子高校野球の強化プログラムに参加し、自分がつくった草野球チームの一員として、女子高校野球の選抜チームと対戦していた。以前にも智弁和歌山高、国学院久我山高ら高校球児を指導するなど、積極的にアマチュアを指導している。彼女、彼らにとっては一生の思い出になったと思うし、イチローというスーパースターに直接指導してもらった経験は大きな財産となったはずだ。

　このようなイチローの行動は立派だと思うし、拍手を送りたい。そのために現役引退後、学生野球の指導に必要な資格を回復したのだろうし、早速、実行に移している。なかなかできることではない。今後は高校生だけでなく大学生、またチームが強い弱いにかかわらず、その指導範囲をどんどん広げていってもらいたいと思うし、それはイチローも当然考えているに違いない。

　ただ、やはりアマチュアだけでなく、プロの指導もお願いしたい。イチローはプロになる前の高校野球に興味があるようで、マリナーズの会長付特別補佐兼インストラクターという肩書きもあって難しい部分があるのかもしれないが、体の動く若いうちに日本のプロ野球選手を指導してもらいたいと強く思う。プロでもイチローの指導を受けたいと思っている選手は多いはずだし、打撃技術はもちろん守備や走塁、それこそ野球に対する考えや取り組み、日本とメジャーの野球で学んだ体験談などを話してもらいたい。間もなく始まる春季キャンプに顔を出し、一人でも多くの選手を指導してほしいというのが私の気持ちだ。

　少し話は逸れるが、今は真の指導者が少なくなっていると感じる。信念を持って教える指導者が・・・