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“一打無敵”のご意見番が球界を斬る 張本勲の喝!!

張本勲コラム「選手にとってオープン戦は貴重な場。チームにとっても同じことが言えるが、すべてはシーズンが始まってからだ」

 

中日立浪和義監督[右]と日本ハム・新庄監督。新監督にとっても実戦の場は貴重[写真=高原由佳]


自分なりの調整法


 どの球団も1カ月に及ぶ春季キャンプが終わり、練習試合からオープン戦の段階に入っている。3月25日のシーズン開幕まで、あと2週間ちょっとだ。今さらドタバタと慌てても始まらないが、選手の立場からすれば、少しでも調子を上げて開幕を迎えたいところだろう。

 オープン戦というのは開幕までの調整試合。以前はセパ同士の対戦はシーズンをにらみ、あまり組まれていなかったように思うが、今はそうでもないようだ。勝敗ではなく、あくまで調整を主としたオープン戦ではあるが、しかしそれはごく一部、実績のある選手に限っての話だ。

 若手にしろ、ベテランにしろ、開幕一軍の当落選上にいる選手にとって、オープン戦は生き残りをかけて首脳陣にアピールする大切な場だ。調整という気持ちなど微塵(みじん)もないだろう。結果が出ないなら二軍に落とされ、開幕はファームで迎えることになる。春季キャンプ、いや秋季キャンプから取り組んできたことが、このオープン戦で問われるわけだ。

 監督は春季キャンプの段階ではわりと期待値を持って大枠で見ているが、オープン戦がスタートすれば開幕に向けてふるい落としに入り、大枠を小さくしていく。誰を一軍に残し、誰を二軍に落とすのか。その見極めをしていくということだ。開幕ベンチの人数は限られているのだから、それも当然のことだ。

 故障やケガで春季キャンプで目立たなかった選手はオープン戦のチャンスも少ないかもしれないが、逆にここで目立った活躍をし、結果を残すことができれば監督の目にとまる。そういう意味でも一軍当落線上の選手にとって、オープン戦は非常に重要なのだ。

 調整が許されるのは実績のある主力選手のみ。そんな選手はおそらく春季キャンプから自分で調整を任され、自分のペースで状態を上げてきているはずだ。オープン戦の出番も最初は限られ、残り試合も少なくなったところで実戦さながらの本番態勢に入るようになる。

 ただ、私はこれで苦い体験をしている・・・

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