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“一打無敵”のご意見番が球界を斬る 張本勲の喝!!

張本勲コラム「スランプになった選手に必要なのは、気分転換などではなく練習あるのみ。苦しいときこそ自分自身と向き合うことだ」

 

同期の王貞治[写真左]もまた練習に次ぐ練習でスランプを乗り越えた。右は東映時代の筆者


問題は自分自身にあり


 開幕から3カ月が過ぎた。セ・リーグはヤクルトが2位以下を大きく引き離して独走し、パ・リーグはソフトバンク楽天が首位争いを演じている。まだ試合は半分以上も残っており、勝負は夏場を過ぎたあたりからにはなるだろうが、ペナントレースも3カ月を過ぎれば各チームの戦い方はだいたい見えてくる。チームを預かる指揮官にすれば、自分たちのチームはもちろん、相手チームの今季の実力というものが分かってくるということだ。

 セで言うなら、ヤクルトの高津臣吾監督は2連覇への手応えを感じ取っているだろうし、ほかのセの監督たちはヤクルトの強さと同時に自分たちのチームの課題を感じ、その対策を考えているだろう。そして今ある戦力で、どのように戦っていくのか頭を悩ませているに違いない。

 チームの全員が故障者なし、試合に出場する投手も野手も全員が絶好調なら、これほど監督にとって楽なことはない。しかし、そんなことはありえない。選手にケガは付き物だし、絶好調な選手もいればスランプの選手も出てくるものなのだ。長いシーズン、監督はそのバランスを整えながら戦っていると言える。そしてそれがチーム力なのだ。

 絶好調の選手は何も手をつける必要がない。そのまま気分よくマウンドへ、あるいは打席へ送り出せばいい。いつかは調子が落ちてくるだろうが、それまで余計なことは考えず、ひたすら今の状態を保てばいい。問題は絶不調のスランプのほうだ。

 これは野球に限らず、スポーツ選手の永遠のテーマだろう。もしかしたらスポーツ選手だけでなく、一般の方でもスランプと感じるときがあるかもしれない。今回はこのスランプについて述べてみたい。

 結論から言えば、スランプになってしまう理由など分からないし、スランプの脱し方も分からない。分からないというより、答えなどないということだ。だからこそ難しいわけだが、1つだけはっきりしていることは・・・

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球界きってのご意見番として活躍する野球評論家の張本勲氏が週刊ベースボールで忖度なしの喝を発信。球界の未来を考えた提言を展開する。

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