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“一打無敵”のご意見番が球界を斬る 張本勲の喝!!

張本勲コラム「一人の少女が私の考えを変えてくれた。忘れたくても忘れてならない原爆の思い出。大切なのは語り継いで伝えていくこと」

 

通算3000安打を達成したときの筆者、母親との記念撮影[1980年5月28日、川崎球場]


戦争なんて知らない


 新型コロナウイルスの感染拡大がプロ野球界にも及んでいる。どの球団も感染対策は徹底されているはずで、それでもこういうことになってしまう。言うまでもなく、野球は団体スポーツ。選手やスタッフはほとんど同じ時間を同じ空間で過ごすわけだから、感染がチームに拡大するのは当然のことだ。しかも試合中はマスクをしないで戦っている。円陣を組んだり、マウンドに集まったり、最短でというガイドラインはあるのかもしれないが、試合に入ればそんなことをいちいち気にしていられるわけがない。

 本誌が発売されるころにはそうなっているかもしれないが、私の考えは一旦、試合はすべて中断するべきだと思う。チームに感染者が出ているのに、あっちは試合をしていて、こっちは延期になっているのはおかしい。アンバランスだ。日程の問題や金銭面など簡単に中止にはできない理由はあるだろうが、そんなことを言っている場合ではない。どうしてこうなったかをよく考えるべきだ。まだ終わってもいないのに、もう大丈夫だろうと球界全体が安心し、コロナに対しての危機感が薄れていたからではないか。油断したときが一番危ないのだ。

 日程や金銭面の問題は選手には申し訳ないが、選手が負担してはどうか。ダブルヘッダーや移動日なしなどの強行日程、また年俸に応じていくらかを協力金として差し出す。何も薄給の選手も出せとは言わない。年俸額に応じて段階的に何%を徴収するという取り決めでもつくればいい。高額の年俸をもらっている選手に関しては、それだけの責任が伴うということだ。

 というわけで今回は選手たちに野球ができる喜び、試合ができるありがたさを感じてもらうためにも、私の被爆体験を語っておきたい。もちろん「8.6」という原爆記念日の時期だからこそでもある。日本のプロ野球選手の中で被爆者(健康)手帳を持っているのは私だけだ。

 正直に言えば、いつもこの日を迎えるのは嫌だった。今でもその気持ちは少なからずある。だから現役時代はもちろん、引退してからもずっとこの手の取材は断っていた。思い出したくないからだ。思い出したくないのは、何もその日のことだけではない。その後の・・・

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張本勲

張本勲

球界きってのご意見番として活躍する野球評論家の張本勲氏が週刊ベースボールで忖度なしの喝を発信。球界の未来を考えた提言を展開する。

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