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“一打無敵”のご意見番が球界を斬る 張本勲の喝!!

張本勲コラム「派手なパフォーマンスなど必要ない。チームのためではなく自分の成績がすべて。本当のプロを正しく理解してもらいたい」

 

プロの世界で頼れるのは自分の力のみ。チームのことよりも自分の成績を上げることだ[写真=BBM]


相手の気持ちを考えよ


 ヤクルトが着々とマジックを減らし、優勝の秒読み段階に入っている。パ・リーグは最後までもつれそうだが、セは本誌が発売されるころには優勝が決まっているかもしれない。DeNAファンの読者にとっては残念だろうが、ここはクライマックスシリーズ(CS)へと気持ちを切り替えるべきだ。ファーストステージをしっかりと勝ち抜いて、再びヤクルトへの挑戦権を手にしたい。

 そして村上宗隆(ヤクルト)の三冠王の可能性もある。問題の打率だが、後ろから大島(大島洋平中日)が追ってきているが、村上には四球があるから大きく下降していくことはない。それにしても久しぶりに凄みのある打者が出てきたという印象だ。構えから雰囲気がある。しかもまだ高卒5年目、22歳という若さというのだから驚く。三冠王という偉業を達成したら、さらに打者として大きく成長できるから、これからの活躍が楽しみだ。ヤクルトはこの先10年、四番打者に悩まなくても済むのだから、チームとしては大助かりだ。

 ペナントレースも終わりに近づいてきたが、見ていていつも違和感を覚える光景がある。選手の大げさなパフォーマンスだ。やたらとガッツポーズをしたがるし、ベンチの仲間に向かってポーズをとったり、テレビカメラを意識したりと、私は不思議でならない。サヨナラ勝ちでもして試合が終わったあとならともかく、まだ試合の途中、しかも序盤から試合展開に関係なくやっている。見るたびに何をやっておるのかと思うし、みっともないと感じている。

 打てば気分がいいし、抑えればうれしいのは分かる。しかし忘れてもらいたくないのは相手の立場だ。勝者がいれば敗者がいるように、打てば打たれた相手、抑えれば抑えられた相手もいるのだ。必要以上に喜んでは相手に失礼だろう。相手がどんな気持ちになるか、自分に置き換えれば分かることだ。

 最近はこれが当たり前のような光景になっているからか大ごとにはなっていないが・・・

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“一打無敵”のご意見番が球界を斬る 張本勲の喝!!

“一打無敵”のご意見番が球界を斬る 張本勲の喝!!

球界きってのご意見番として活躍する野球評論家の張本勲氏が週刊ベースボールで忖度なしの喝を発信。球界の未来を考えた提言を展開する。

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