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“一打無敵”のご意見番が球界を斬る 張本勲の喝!!

張本勲コラム「ドラフトの目的は12球団の戦力均衡化。莫大な契約金は本当に必要なのか?活躍してから大金を手にするのがプロだ」

 

東映入りが決まった1958年暮れ、練習に励む浪商高3年時の筆者[写真=BBM]


不公平だった逆指名制度


 間もなく日本シリーズが始まるが、その前にドラフト会議がある。戦力外通告が行われてチームから去っていく者がいれば、ドラフトで新しく入って来る者がいるというわけだ。育成選手は何人いてもいいが、支配下登録選手は1球団70人までとルールで決められているから、誰を辞めさせて誰を獲るかはチームの将来的な構成の上でも重要で、より慎重に行われるべきものだ。

 さて、そのドラフトだが、昔はドラフトなど存在しなかった。自分で行きたい球団を選べたし、今のようにプロ志望届など提出する必要もなかった。私のことで言えば、卒業後はプロ志望だったから、球団から声が掛かるのを待っていた。どれだけプロに行きたいと思っていても誘いがなければどうにもならない。力不足とあきらめるしかないのだ。それは今でも同じだろう。

 幸運にも私はプロのスカウトの眼にかなったようだった。最終的に絞られたのは東映と中日の2球団。生まれ故郷の広島は途中で撤退したと聞き、高校2年生のときに「卒業したら来てほしい」と水原茂監督から直接言われていた巨人もまた、水原監督のチームへの影響力が薄れつつあり、指揮官の意見は却下されたと聞いた。巨人だったら迷わず入団していただろう。

 そういうわけで東映と中日のどちらかを選ぶことになったわけだが・・・

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“一打無敵”のご意見番が球界を斬る 張本勲の喝!!

“一打無敵”のご意見番が球界を斬る 張本勲の喝!!

球界きってのご意見番として活躍する野球評論家の張本勲氏が週刊ベースボールで忖度なしの喝を発信。球界の未来を考えた提言を展開する。

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