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“一打無敵”のご意見番が球界を斬る 張本勲の喝!!

張本勲コラム「球種が読めたとしても打てるとは限らない。選手はベンチの指示を待つのではなく、自分でよく考え、自分の感性を信じよ」

 

データは情報として大事だが、参考程度にとどめておくというのが筆者の考え方だった[写真=BBM]


データはデータに過ぎず


 近年のプロ野球はますますデータ化が進んでいる。これは野球に限らず、どのスポーツにも言えることだろう。対戦相手を徹底的に研究して情報を集め、それをデータ化して試合に生かすわけだ。どのチームにも必ずいるスコアラーの存在意義はそこにあるし、データなしで試合に臨むことなどありえない。それは今も昔も同じだ。しかし昔はデータと言っても大ざっぱだったが、今は非常に細かい部分までデータ化されて選手に伝えられているようだ。

 データはもちろんあったほうがいいに決まっている。相手の情報や特徴、癖は知っておいて損はないし、頭に入れておくべきものだと思う。そのほうが戦いを優位に進めることができるのは間違いない。しかし必要以上にデータを鵜呑みにしてしまうのもどうかと思う。

 私は現役時代、あまりデータを重要視していなかった。試合前のミーティングでは当日に登板する相手投手の対策を含め、必ずコーチたちから指示が出ていたが、忠実に守ろうとは思っていなかった。情報の1つとして頭に入れておく程度に過ぎなかった。

 例えば、相手投手がカウント2-1になると、ほとんどカーブを投げて来るというデータがあるとしよう。普通ならカーブを狙い打てばいいわけだが、私は次に来る球が分かってしまうと不思議とうまく打てなかった。どうしても力んでしまうからだ。王(王貞治、元巨人)も同じだった。球種が分かったほうが打てる打者もいれば、逆に打ちづらくなってしまう打者もいるということだ。

 しかし私に言わせれば、カーブと言ってもいろいろとある。その投手が投げるカーブも・・・

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“一打無敵”のご意見番が球界を斬る 張本勲の喝!!

“一打無敵”のご意見番が球界を斬る 張本勲の喝!!

球界きってのご意見番として活躍する野球評論家の張本勲氏が週刊ベースボールで忖度なしの喝を発信。球界の未来を考えた提言を展開する。

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