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“一打無敵”のご意見番が球界を斬る 張本勲の喝!!

張本勲コラム「長期の複数年契約は選手をダメにする。プロは一年一年で勝負し、評価されるべきだ。球団、本社はお金の使い方を間違えるな」

 

3年総額18億円で契約更改を終えた村上宗隆[ヤクルト]。その後のメジャー移籍も球団が確約[写真=代表撮影]


安心感よりも危機感を


 先週号の本誌にも出ていたが、プロ野球の新コミッショナーに関西電力会長の榊原定征氏が就任された。元経団連会長で野球にも詳しいようだから大いに期待している。2年という任期の中で多くの課題に取り組んでいただきたい。ただのお飾りにだけはなってほしくないし、日本のプロ野球の人気を復活させてほしいと願っている。

 さて、最近はものすごい金額が新聞やテレビを通じて飛び交っているから驚いている。オリックスを日本一に導いた主砲の吉田正尚はポスティングシステムを利用してメジャー挑戦を表明していたが、レッドソックスと5年総額9000万ドル(約126億円)で入団が決定したとか、海外FA権を行使した千賀滉大もメッツと5年総額7500万ドル(約102億円)で契約合意したとか、まったく信じられない額だ。大谷翔平(エンゼルス)の2023年の年俸は3000万ドル(約42億円)というのだから、日本で活躍した選手たちがこぞってメジャーへ行きたがるのも無理はない。

 日本ではヤクルトの主砲で三冠王に輝いた村上宗隆(ヤクルト)が3年契約の18億円で契約更改。2022年の年俸2億2000万円から6億円と大幅アップ。また近藤健介日本ハムからソフトバンクへの移籍が決まり、7年総額50億円という報道があった。メジャーと比べるとスケールが小さく感じてしまうかもしれないが、それでもとてつもない大型契約だと思う。

 プロ野球は数字がすべてと言うのが私の持論だが、さらに加えればお金がすべてとも言える。数字の評価は金額によって表れるわけだし、昔はよく「プロなら銭を稼げる選手になれ」と言われたものだ。選手はもらえるものなら、いくらでももらいたい。それがプロだ。

 ただ、私がこのコラムで何度も強く言ってきたことだが・・・

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